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ケガの原因になる連携性のないストレッチとは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

柔軟な身体を手に入れるために

●連携性のないストレッチはケガの原因になる
柔軟性が求められる新体操の選手でも、開脚ができて一見可動域が広いように見えるにもかかわらず、実際は可動域が狭いということがあります。競技に必要な開脚角度を作る能力はあるのですが、身体の連携性が身についていないのです。それなのに、痛みを感じないからといって開脚のストレッチを続けていれば、ケガや故障を引き起こしてしまいます。一般的に「開脚ができる」あるいは「開脚のストレッチができる」ということと、コンディショニング的に連動性や連携性が身についていて、可動域を得ているということは違うのです。

特定部位の可動域を広げるために、一部分の筋肉の伸展・伸縮を狙うストレッチの考え方よりも、どのようにしたら関節をワイドに動かせるかといったことを、全身の連携の中で考えていくことが必要なのです。ストレッチで筋肉を「伸ばす」という言い方をよく耳にしますが、これは大きな誤解です。効いている感じがしても、伸ばされた筋肉が抵抗しているだけです。無理に伸ばして抵抗させ、その抵抗をふっと解いたあとに、楽になったような気がするだけなのです。ところが、それを「筋肉が柔らかくなった」と勘違いし、過度に筋肉を伸ばし続けると、筋肉を痛めることになります。

そもそも私は、筋肉は「ゆるめるもの」であって、過度に伸ばすものではないと考えています。もちろん物理的に筋肉は伸びますが、基本的には「縮むから伸びる」ことしかできません。筋肉をゆるめ、伸縮能力を向上させるために大切なのは、「軸」を作ることと、身体のタイプに合わせて動かすことです。骨格があるべき位置にあって脳が安定すると、脳は筋肉の緊張を解くもの。身体が安定しない限り、柔軟性が上がることはないのです。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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