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【国立科学博物館】企画展「貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか」開催のお知らせ

文化庁
国立科学博物館(館長:篠田 謙一)は、2024(令和6)年11月26日(火)から2025(令和7)年3月2日(日)までの期間、下記のとおり、企画展「貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか」を開催いたします。 【詳細URL:https://www.kahaku.go.jp/event/2024/11shells/】



             企画展「貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか」ポスター

 貝類は食料としてだけではなく、装飾品などの素材として、人類の生活を支えてきました。そして現代においても、さまざまな形で人々の生活や文化を彩り続けています。貝類の持つ生物学的な特性や多様性は、古代より私たちを魅了してきたのです。本展では、その奥深いシェル・ワールドのエッセンスを紹介します。

開催概要



企画展「貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか」
【開 催 場 所】国立科学博物館(東京・上野公園)
       日本館1階 企画展示室及び中央ホール
【開 催 期 間】2024(令和6)年11月26日(火)~2025(令和7)年3月2日(日)
【開 館 時 間】9時~17時 ※入館は閉館時刻の30分前まで
【休 館 日】月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、12月28日(土)~1月1日(水・祝)
       ※ただし12月23日(月)、2月17日(月)は開館
【入 館 料】一般・大学生:630円(団体510円)、高校生以下および65歳以上:無料
       ※本展は常設展示入館料のみでご覧いただけます ※団体は20名以上
       ※入館方法の詳細等については、当館ホームページをご覧ください
        https://www.kahaku.go.jp/
【主   催】国立科学博物館
【協   力】赤星直忠博士文化財資料館、浦河町立郷土博物館、鹿児島県立埋蔵文化財センター、
       きしわだ自然資料館、東京大学総合研究博物館、鳥羽市立海の博物館、豊橋市自然史博物館、
       萩博物館、目黒寄生虫館、横須賀市自然・人文博物館

展示紹介



序章 貝類の世界
 貝類とは、無脊椎動物の一群である軟体動物の中で、炭酸カルシウムの殻をもったものを指すことが一般的ですが、広い意味では貝殻をもたないものも含みます。地球上に繫栄する貝類は、どのように誕生し、発展してきた
のか。ここではまず貝類の進化の道筋をみていくとともに、その驚くべきサイズの多様性についても紹介します。


  ミジンワダチガイ(所蔵:国立科学博物館)


         Pelecyogyra fezouataensis(所蔵:国立科学博物館)

第1章 貝類の多様性の成り立ち
 地球上に10 万種以上存在するといわれる軟体動物は、体のおおまかなつくり(体制)だけでなく、生息環境や生態、貝殻の形態など、さまざまな面で著しく多様性に富んでいます。貝殻を失う方向に進化した貝類もあります。ここでは、まず軟体動物の全体像を示し、そしてさまざまな角度から多様性とその要因についてみていきます。

      メオトヤドリニナ(写真:国立科学博物館)


      マボロシハマグリ(画像:国立科学博物館)


      ハリナガリンボウ(画像:国立科学博物館)

第2章 人類と貝類の長い関わりー先史時代~現代
 人類と貝類の関わりは先史時代から今日に至るまで続いています。食料が乏しい時期には、貝類は人類の生活を支える安定した食料となっていました。一方、貝殻も利器、装飾品などの素材として利用されてきました。さらには神事や遊びなどの文化にも関わるようになるなど、単なる天然物を超えた存在となっています。


          貝輪(ゴホウラ)(所蔵:国立科学博物館)


      貝合わせ(ハマグリ)(所蔵:国立科学博物館)

第3章 人類と貝類の深い関わりー貝に魅せられた人たち
 現代における究極の人類と貝類の関わりは、貝殻のコレクションといえるでしょう。標本化が容易で、長い年月にわたって保存が可能な貝類は、生物コレクションの代表的なものとして多くの人たちを惹きつけてきました。ある地域の種をすべて集めることを目指したり、特定の分類群に専念したり、関わり方はさまざまです。





















アダンソンオキナエビス(画像:国立科学博物館)        ウミノサカエイモ(画像:国立科学博物館)

第4章 貝類とこれからも長く関わり続けるために
 人類と貝類には長くて深い関わりがありました。そして現在、状況は大きく変わりつつあります。たくましく地球上で発展してきた貝類も、近年の環境の改変や地球規模の変動の影響を受けています。食をはじめとした人との関わりにも変化がみられます。ここでは、現在の状況を把握し、未来に思いを巡らせます。


      ますほの小貝(チドリマスオ)(写真:国立科学博物館)

本展監修者





動物研究部 海生無脊椎動物研究グループ 研究主幹
長谷川 和範(はせがわ かずのり)
専門分野は腹足類(巻貝)の分類学。物心ついた頃から、貝は私の心の中で大きな存在でした。その魅力を改めて見つめ直そうというのが、今回の企画展の出発点です。研究対象や食材としての魅力はわかりやすいものの、掌の中で貝を愛でる時の幸福感を説明するのはやはり困難です。生物の適応進化の産物が、なぜこれほど心をとらえるのか、その謎は深まるばかりです。




地学研究部 環境変動史研究グループ 研究主幹
芳賀 拓真(はが たくま)
専門分野は貝を用いた進化古生物学、軟体動物学。なぜ魅せられるのか。貝歴38年になっても未だわかりません。強いて言えば、想像を超えた形の多様さでしょうか。貝を見れば脊髄反射的?に手がでるし、夢の中で「煌びやかな夢の貝」を採集しています。でも、凄く惹かれるのはチシマガイやイジケガイ。あのなんとも言えない形に、求めている答えがありそうです。




人類研究部 人類史研究グループ 研究員
森田 航(もりた わたる)
専門分野は歯の人類学。人類学を研究する者にとって貝の大きな魅力の一つは、日本の酸性土壌から縄文人のような貴重な古人骨資料を守ってくれることです。後世の子孫に自身の姿や生活がタイムカプセルのように伝わることを期待していたわけでは無いかもしれませんが、貝に囲まれて死後埋葬されることを望むほどに縄文人も貝に魅了されていたのではと想像しています。




動物研究部 海生無脊椎動物研究グループ グループ長
齋藤 寛(さいとう ひろし)
専門分野は軟体動物(主に有棘類)の分類学。子供の頃、近所の路地の植木棚に、風雨にさらされて白っぽくなったサザエやアワビの貝殻が置かれていたことを覚えています。私の経験を基にするのは根拠薄弱ですが、そんなありふれた貝の、しかも色彩の乏しい貝殻を覚えているということを考えると、ひとを魅了する最大の要因はその形ではないかと思えてきます。




地学研究部 環境変動史研究グループ グループ長
重田 康成(しげた やすなり)
専門分野はアンモナイト学。大自然の中、地層をハンマーでたたくと、美しい螺旋をもつアンモナイトが顔をのぞかせます。タイムカプセルを開けた瞬間です。なかには虹色に輝くアンモナイトもあります。はるか昔に絶滅したアンモナイトは私に何を語ってくれるのか、そのワクワク感がたまらない。
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