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騙す、眩(くら)ます、ロス・トーマス。犯罪小説の巨匠による初期未訳長篇『狂った宴』(新潮文庫)が、7月29日ついに本邦初登場!

株式会社新潮社
今度の舞台はアフリカの小国。選挙戦をめぐって、血で血を洗う悪党たちの化かし合い――。

株式会社新潮社は 7月 29日、作家ロス・トーマスの本邦未紹介だった長篇小説『狂った宴』を文庫新刊として刊行いたしました。長らく邦訳が待たれていた本書は、アフリカの小国での選挙戦を舞台にした、これまでになかった犯罪エンタテインメント小説です。



昨年、1970年発表の『愚者の街』が「ミステリーが読みたい! 2024年版」海外部門で1位に選ばれ、旧作ながら古びない魅力をもつ作家として再注目された、犯罪小説の巨匠ロス・トーマス。
その『愚者の街』をさらに遡った過去作である本作は、政治がらみの騙し合いということで、少々腰の引けてしまうミステリー読者も多いかと思いますが、じつはこの小説、思いもよらぬ選挙戦の狡猾な駆け引きのみならず、殺人事件あり、ダイイング・メッセージあり、残忍な暴力シーンありで、何とも摑みどころなく面白い、唯一無二の犯罪小説に仕上がっております。しかも、発表されたのは1967年。ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』と同じ年でした。いわば“ミステリー界のマジック・レアリスム小説”が同年に誕生していたとも言えます。


■書籍内容紹介
辣腕の選挙コンサルタントとして鳴らしたシャルテルは、大手広告代理店DDT広報部のアップショーとともに、英連邦から独立間近のアフリカの小国アルバーティア初の国家元首選挙に駆り出される。資源に恵まれながらも腐敗にまみれたこの国で、DDTに有益な人物を当選させるために、二人は汚い手段を駆使してでも選挙キャンペーンを成功させようとする。だが、やがて事態は混乱をきたし、彼らにすら手に負えない様相を呈してくる――。MWA最優秀新人賞受賞作『冷戦交換ゲーム』に続く第2作にして、アフリカ諸国の政治的カオスを活写し、暴力描写に溢れたクライマックスが印象的な、ロス・トーマスの初期傑作、本邦初訳。


■著者紹介
ロス・トーマス
アメリカの作家、脚本家。オクラホマシティ出身。学徒動員から復学し大学卒業後、ジャーナリスト、編集者、政府の新聞担当広報マン等となり、ヨーロッパやアフリカに滞在する。1966年のデビュー作『冷戦交換ゲーム』でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀処女長篇賞を、1984年の『女刑事の死』で同最優秀長篇賞を受賞。サスペンス、スパイ小説の巨匠とされる。『強盗心理学』(1971年)は『セント・アイブス』のタイトルで映画化された。1995年没。

松本剛史(まつもと つよし)
1959年和歌山市生れ。東京大学文学部社会学科卒。ブース『暗闇の蝶』、フリーマントル『クラウド・テロリスト』、クーンツ『ミステリアム』『これほど昏い場所に』、ティンティ『父を撃った12の銃弾』、トーマス『愚者の街』など、訳書多数。


■書籍データ
【書名】狂った宴(新潮文庫刊)
【著者】ロス・トーマス/松本剛史訳
【発売日】2024年7月29日
【定価】1,100円(税込)
【ISBN】978-4-10-240313-6
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/240313/
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