ボールの30センチ先を目がけて振り、ハンドファーストのインパクトをつくる
ダウンブローを強く意識すると、大根切りでボールにクラブをぶつけるだけで、スウィングを終わりにしてしまう人がいます。体の近くを通り、ボールに向かって一直線に下りたクラブは、フォローで体を回転させてインサイドに振り抜いていかなければなりません。荒川先生の打撃理論がダウンブローとインサイドインを二大柱として、セットで重要性を語っているのはそのためです。
強く意識しすぎることで大きな勘違いや、さまざまなミスを引き起こすものに、インパクトでのハンドファーストがあります。手元を前に出せばいいと安易に考える人も多く、手元だけを先行させれば体が回らず、左脇が開き、ロフトが寝てフェースが開き、理想とはまったく正反対のスウィングになってしまいかねません。
そこで30センチに仮想のボール置き、そこを目がけて振ってみましょう。実際に選手たちは練習場で30センチ先にガムテープを貼るなどしてやっています。
その結果がハンドファーストであり、またフォローで左ひじが引けず、クラブと腕が一直線になり、ビハインド・ザ・ボールで頭が残り、インパクトゾーンが低く、長くなって、ヘッドが走り、それこそボールが真っ二つに斬り抜く感覚が身につく、というわけです。
振りやすい8番か9番アイアンを短く持ち、 毎日やるだけでも上達は間違いありません。
【書誌情報】
『ゴルフのトップコーチが教えるスウィングの真髄』
著者:辻村明志
上田桃子、小祝さくらプロをはじめ、女子のトッププロたちをコーチしている本書の著者・辻村明志氏。王貞治選手の一本足打法を作り上げた故・荒川博氏に師事し、ゴルフ指導に取り入れたことは有名だ。本書は、荒川氏から受け継ぎ、コーチングに活用している「氣のスウィング理論」を解説するもの。「氣は心を動かし、心が氣を動かす」という、同氏の考えに基づき、氣の力をゴルフスウィングに活かすことを目的に、その方法をイラストと写真を使いわかりやすく紹介する。
公開日:2020.06.30