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パープレイをする為に100点満点のショットは必要ない理由とは!?【思いで叶えるゴルフ上達法/佐久間馨】

Text:佐久間馨

100点満点のナイスショットは必要ない

私はゴルフでパープレイをするのに、いつも1 0 0 点満点のショットは必要ないと考えています。1 0 0 点満点のショットとは、たとえばドライバーショットだと芯を食った会心の当たりで、糸を引くような弾道を描いて、2 5 0 ヤード先のフェアウェイをヒットするような球のことです。もちろんこのような球がいつもいつも打てるのが理想ですが、思いとは裏腹にこんなショットはそうそうたやすく打てるものではありません。逆に夢のスーパーショットを打とうと力が入って、大きく曲げてスコアをくずしてしまうケースのほうが圧倒的に多いでしょう。

先ほど、私はティーショットの定義を「パーオンできるところに運ぶ」そのショットで、パーオンできるところにボールを運ぶために明確な意思を持つことがきわめて重要だと説明しました。しかし、毎ショット1 0 0 点満点のショットが必要だと言っているわけではありません。たとえば4 0 0 ヤードのパー4、フェアウェイの左側には池があり、右側は浅いラフになっているホールがあるとしましょう。このホールでドライバーショットを打ったところ、当たりが薄くて2 0 0ヤード先の右ラフに入りました。2 打目はなんとかグリーンが狙えますが、距離が2 0 0 ヤード近く残ってしまいました。さて、このショット、皆さんご自身が打ったとしたら、どんな感想を持たれると思いますか?

たぶん大半の方が、「あ~、ミスショットだよ!」と嘆いて、がっかりされることでしょう。しかし、私ならこのショットは「ナイスミス」だと考えます。なぜなら、この場面、スコアメイクを考えるなら、絶対に行ってはいけないのは左の池で右のラフではないからです。もしここでティーショットを左の池に入れてしまったら、次はワンぺナの第3 打になります。そこからパーをセーブするのは、まったく不可能ではないものの、限りなく難しくなります。

一方、右のラフからであれば、少々距離があっても2 打目をグリーン近くに運ぶことは可能ですし、そこからパーを取るチャンスはいくらでも残るからです。むろん、フェアウェイの真ん中にナイスショットが打てればベストですが、ゴルフはミスをするスポーツです。フェアウェイを狙ってもちょっとしたタイミングのずれで、インパクトが狂うことはよく起きます。その時に決定的なミスにならないように保険をかけておくことが、上級者のゴルフなのです。

私が「ナイスミス」と呼んでいるのは、言い換えると「まだ、なんとかなるミス」で、点数をつけると70点くらいのショットです。この70点くらいのショットが1 0 0 % 打てるようになれば、確実にゴルフのスコアは良くなります。

逆に1 0 0 点満点のショットが70% 打てても、それが連続で出ないとスコアはよくなりません。なぜなら残りの30% で、O B やチョロなどのショットでは大叩きになってしまうからです。私自身1 0 0 点満点のショットは、10回打って一度くらいの割合でしか出ませんが、常に70点以上の結果になるように心がけてプレイをしています。ミスショットばかりではゴルフにならないのは事実ですが、1 0 0 点のショットでなくても、そこそこの結果が残ればよしとして、次のショットに集中していく前向きな姿勢がなくては、スコアはまとまらないのです。

【書誌情報】
『信じればパープレイは必ずできる! 「思い」で叶えるゴルフ上達法』
著者:佐久間馨

「ゴルフを上手くなりたい」と考える人は、自分のスイングを直そうとします。それもひとつの方法ですが、スイングを直すだけではスコアアップは望めません。「練習不要」をうたい、「練習ぎらい」を書名にした著書もある本書の著者は、「パープレイは誰でもできる」と言います。その方法となるのは、プレイの発想方法とやり方を変えること。簡単にスコアがよくなる発想方法があるのです。この本では、その方法を数多く紹介しています。明日コースに出る人でも実践できることばかりで、ゴルフがより一層楽しくなるはずです。