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王貞治も指導を受けた荒川博が語る「氣」の正体とは!?【スウィングの真髄/辻村明志】

Text:辻村明志

氣は無限のエネルギーの源、「氣の散った選手に一流はいない」

荒川先生が王貞治さんらの指導に、合氣道を持ち込んだことは広く知られるところです。文字通り合氣道とは、氣と氣を合わせる日本古来の武道です。「氣とは平常時には氣海に沈み、いざこと起これば頭上より天に届き無限の力を得、足下より大地を貫き不動の力を得る」

合氣道は氣をこのように説明しています。

無学の私にはあまりにも難解ですが、先生が行った次のような実験が氣の本質を教えてくれています。

まず、右手を開いて小指が下になるように、テーブルの上に置きます。「どんなことをされても、絶対に手をテーブルから離すな」そこで腕や手に力を入れて、テーブルに押しつけます。すると荒川先生は、私の前腕の中間あたりの下側に、人差し指を立てて入れ、ヒョイと持ち上げてしまうのです。ときには腕ばかりか、椅子に座っていたボクの体が85歳の先生の指1本で宙に浮いてしまったほどでした。

驚いている私に、荒川先生は今度は次のような指示を出します。「今度はテーブルについている小指の下側に意識を集めなさい」

するとどうでしょう。先生が私の腕を鷲づかみにして、ようやく手がテーブルから離れたのでした。「これが氣の正体。氣の散った選手に一流はいない」これが、荒川先生の答えでした。

【書誌情報】
『ゴルフのトップコーチが教えるスウィングの真髄』
著者:辻村明志

上田桃子、小祝さくらプロをはじめ、女子のトッププロたちをコーチしている本書の著者・辻村明志氏。王貞治選手の一本足打法を作り上げた故・荒川博氏に師事し、ゴルフ指導に取り入れたことは有名だ。本書は、荒川氏から受け継ぎ、コーチングに活用している「氣のスウィング理論」を解説するもの。「氣は心を動かし、心が氣を動かす」という、同氏の考えに基づき、氣の力をゴルフスウィングに活かすことを目的に、その方法をイラストと写真を使いわかりやすく紹介する。