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スタンスの広いホームラン打者はいない!アドレスにおける最適なスタンス幅とは!?【スウィングの真髄/辻村明志】

Text:辻村明志

パワー=スピード×重さ スタンスの広いホームラン打者はいない

次にアドレスにおけるスタンス幅について考えてみましょう。一般にスタンス幅は肩幅程度とされていますが、その理由について教えてくれる人は多くありません。荒川先生は「自然体とは50センチ程度の高さから飛び降りたときの広さ」といい、おそらくほとんどの人にとってこれが肩幅になるはずです。そして、それを基本として「クラブの長さ、打ちたいボールの距離、高さなどによってスタンス幅はアレンジすべきもの」と理路整然と教えています。

ここでスタンス幅の持つ意味を考えます。スタンス幅が広ければ体重移動が大きくなり、反対に狭ければ体が回りやすくなります。また無意識であったとしても飛ばそうと思えば広く、方向性を重視すれば狭くしているはずです。もちろん限度はありますが、原理原則としては間違ってはいません。

ところが問題は、自分にあった、あるいは打ちたいボールにあったスタンス幅で構えている人が少ないという現実です。なんの疑いもなく肩幅で構えたり、飛ばそうと思って必要以上にスタンス幅を広くしたり……。

そこで、次の公式を覚えておきましょう。
「パワー(エネルギー)=スピード(回転)×重さ(力)」

荒川先生によれば、歴史的にみてもスタンス幅の広いホームラン打者はいないそうです。ベーブ・ルース、ハンク・アーロン、日本でも川上哲治さんや王貞治さんは、たしかに写真を見ると投手側にそれほど大きく踏み込んではいないことがわかります。つまりどちらかといえば、力よりも回転のスピードでボールを飛ばしている、ということなのでしょう。

もちろん、だからといってスタンス幅を狭くしろ、というのではありません。スタンス幅の意味を理解し、適切なスタンス幅で構えろ、というのです。

踏み込みが遠すぎるとエネルギーは逃げます。そこで少し近くに踏み込むことがポイントです。

【書誌情報】
『ゴルフのトップコーチが教えるスウィングの真髄』
著者:辻村明志

上田桃子、小祝さくらプロをはじめ、女子のトッププロたちをコーチしている本書の著者・辻村明志氏。王貞治選手の一本足打法を作り上げた故・荒川博氏に師事し、ゴルフ指導に取り入れたことは有名だ。本書は、荒川氏から受け継ぎ、コーチングに活用している「氣のスウィング理論」を解説するもの。「氣は心を動かし、心が氣を動かす」という、同氏の考えに基づき、氣の力をゴルフスウィングに活かすことを目的に、その方法をイラストと写真を使いわかりやすく紹介する。