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「衰退」せずとも「停滞」。トップ選手ふたりが語る女子野球界の未来とは?【山崎まり&加藤優:対談第5回】

Text:花田雪

下の世代に野球に打ち込める環境を

昨シーズン限りでプロを退団。新たな場所で、新たな挑戦を続ける女子野球選手・山崎まりと加藤優。トップ選手ふたりが語る、「女子野球界」の未来とは?

――加藤選手は今年、特定のチームに所属せず、横浜DeNAベイスターズのベイスボールスクールでコーチを務めるなど、女子野球の普及活動を続けていますよね。

加藤 ライオンズさんとタイガースさんが女子野球チームを発足したことを含めて、NPBが女子野球の普及に力を入れてくれているのはここ数年、実感しています。この流れはこれからも続いてほしいですし、今後は育成世代だけではなく、私たちのような大学卒業後もプレーを続ける選手にも目を向けてもらえるように、いろいろな方法でアプローチしていきたいですね。

山崎 私自身、先日31歳になりましたけど、女子野球選手としてはすごく良い時代を過ごさせてもらったなという実感があるんです。少しずつ競技人口も増えて、プロもできて……。でも、女子野球の発展を考えたとき、私より下の世代の選手たちは、果たしてどうなんだろうと思うことはあります。彼女たちが高校、大学を卒業したとき、自分のころよりも野球に打ち込める環境ができているかというと、自信をもって「できる」とは言えない。時代は流れているのに、「衰退」とは言わないまでも「停滞」してしまっている部分はあると思います。そこは打破していかないといけない。私はまだ現役なので、まずはプレーで後輩たちに色々なものを示して、その熱量で女子野球の良い流れを加速させていきたいです。

ギフティングサービスは大きな存在に

――山崎選手は現在、選手としてプレーしながらアスリートをサポートするギフティングサービス「Unlim(アンリム)」を活用されていますよね。

山崎 プロをやめて、今年から利用させて頂いています。ギフティングしていただいたお金は自主練習でつかう練習場の費用に充てさせて頂くなど、本当に助かっています。あとは、ファンの方から頂くメッセージはとても励みになりますね。特に今年はコロナ禍でファンの方と直接触れ合う機会がほとんどなかったので、そんな中でも応援していただいている実感を得ることができたのは、とてもうれしかったです。

加藤 女子野球に限らず、特に「マイナー」と呼ばれる競技を極めたいと思ったら、生活をしながらプレーする時間を確保するのはとても大変なんです。私も今年、それを痛いほど実感しました。そんな中で「Unlim」のようなシステムは金銭的にも精神的にも、アスリートにとってすごく大きな存在だと思います。ギフティングされたものが直接選手の利益になって、それが技術の向上にもつながる。こういうシステムや活動が、もっと広く知られてほしいなと思いますね。

※編集部注:ギフティングサービス「unlim」は下のバナーからご参加いただけます

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