SPORTS COLUMN
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山崎まり、加藤優。二人の女子野球選手が語る2020年シーズン【山崎まり&加藤優:対談第1回】

Text:花田雪

プロ退団から1年――

 昨シーズンはともに女子プロ野球・埼玉アストライアに所属した山崎まり、加藤優。今シーズン、山崎は埼玉西武ライオンズ・レディースで、加藤はチームに所属せず、独自の活動を行いながら、ともに現役選手として1年間プレーを続けた。女子野球界のトップレベルにいながら、新たなチェレンジの場に身を置いたふたりのスペシャル対談が実現!

――埼玉アストライアを退団されてから1年が経ちます。おふたりにとって、今シーズンはどんな年でしたか?

山崎 プロを退団しても、目指してもらえる選手でいたい、プレーを続けられる環境を見せたいという思いで選手活動を続けてきました。そういう意味でライオンズ・レディースさんにお世話になったんですけど、やはりプロとは違って練習場所や時間を確保するのに苦労した1年間でした。プロ時代は同じ目標を持った選手たちと一緒に練習、プレーできる環境があって、どこかでそれがあたりまえになっていた。でも、今年はコロナ禍の影響もあってひとりでやらなければいけない時間が続いて、あらためてそんな幸せが身に沁みましたね。そういう意味では、少しモヤモヤした1年になってしまったのは事実です。

加藤 私も今年はどのチームにも所属しないと決めて、現役は続けながらも女子野球の普及や発展に役立つことをしていきたいと思っていましたが、まりさんと同じようにコロナ禍でなかなか活動できない日が続いて……。現役として頑張る自分と、普及活動に力を注ぐ自分のバランスを取るのは、思ったよりも大変でした。手探りでしたし、私もどこかモヤモヤを抱えたまま1年間たってしまったという印象です。

――おふたりはアストライア所属よりも前からお付き合いがあるんですよね?

山崎 (プロ入り前に所属した)アサヒトラストでも一緒でした。結構付き合いは長いよね?

加藤 私が高校生のころからなので、もう10年くらいですかね。大先輩ですけど、個人的には一番仲の良い先輩だと勝手に思っています(笑)。

それぞれの決断への想い

――新天地でプレーするお互いの姿を、どう見られていましたか。

山崎 優はすごく芯が強くて、自分の考えを持っている選手なので、チームに所属しないという決断は「それが後悔しない道なら応援したい」という思いはありました。ただ、プロを退団したときにはまた同じチームでプレーしたいという気持ちもあったし、心配ではないけど、連絡は取りあっていました。チームや環境が違っても、女子野球を発展させたい、選手の環境をもっとよくしたいという気持ちは同じ。これは優だけでなく、女子野球選手全員に言えることなんですけどね。

加藤 私もまりさんと同じチームでやりたいという気持ちはありましたし、ライオンズ・レディースのセレクションを受けようと思ったこともありました。でも、最終的には「今年はチームに所属しない」という決断をした。ただ、ライオンズのユニフォームを着てプレーするまりさんの姿は、やっぱりカッコ良かったですね。大先輩だし、年齢も差がありますけど、輝かしいというか、誇らしいというか……。今の女子野球を取り巻く現状で、まりさんみたいに憧れられる姿を後輩に見せ続けるのって、本当に大変だと思うんです。もちろん大変なこともたくさんあるだろうけど、その中でそういう姿を見せられるのは、改めて尊敬しちゃいました。(次回へ続く)