重心をどこに乗せるかは人によって違う
【部位】足関節 【機能】足首を曲げる
右足の内側全面を使って地面を蹴る
足のどこに重心が乗るかというと、体をどのようにセットして構えるかにかかってきます。ヒザや股関節の曲げ方や体幹の屈ませ方にも応じて人それぞれ、体重の乗る位置が違います。「足(または足の裏)のどこに乗るか」という意識を持つ場合が多いため、足の項目として説明します。多くの場合、拇指球に体重を乗せると説明されています。しかし、重心位置を測定すると、上級者やプロがみな、拇指球に体重を乗せているわけではないことがわかっています。
土踏まずの前側、土踏まずの真ん中、土踏まずの後ろ目、くるぶしの真下、カカトなどと意識しているプロもいます。また、P1からP10までずっと同じ位置に乗っているということはなく、動きに合わせて重心も動くが、そのパターンが千差万別であることは先に説明した通りです。切り返しのときに右足のどこに乗っているかが実は脚と足の動きにも大きく関わっています。拇指球に乗っている人は拇指球で地面を踏み、拇指球のところで足の裏を折るようにして地面を蹴ります。
足の後ろ側に乗っている人は足の裏の内側のライン全体で踏み込む感覚を持っていることが多いようです。これをスキーの操作である「エッジング」という言葉で説明する人もいますね。この動きだと、切り返しで右ヒザや右腰が前に出なくなり、インサイドからクラブを下ろしやすくなると思います。
●拇指球で押すタイプ
拇指球に体重を乗せている人は、拇指球で地面を踏んで、すねからねじり上げていくように力を伝える。しかし右サイドが前に出やすい。
●足の内側全体で押すタイプ
土踏まずに体重を乗せている人は、くるぶしを地面に押しつけるように足の内側を面にして地面に押しつけて反力を受け取るタイプが多い。
出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭
【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。
【書誌情報】
『ゴルフ 当たる! 飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者:奥嶋誠昭
スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。
その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。
公開日:2024.03.24