あそび08:全身後出しじゃんけん
こんな子におすすめ!
- 体の動きがぎこちない
あそびかた
- 「グー」グーは、足を閉じで腕を組む
- 「チョキ」チョキは、片足をあげて両手は上にあげる
- 「パー」パーは、手と足を広げて大の字
体を使ってじゃんけんのポーズをします。じゃんけんのポーズは、「グーが足を閉じて腕組み」「チョキが片足をあげて手はばんざい」「パーが手と足を広げて大の字のように」の3種類です。大人が「後出しじゃんけん・じゃんけんパー」といえば、パーのポーズをとり、グー・チョキといえばそれぞれのポーズをとります。
効果とねらい
- 臨機応変に運動を切り替える力を育む
- 自分の体の部位を意識して動かす
- 両手足の協調運動を育む
注意点
- ポーズがむずかしい場合は手だけのポーズにする
- 子どものペースを考え、声かけのスピードを調整する
あそぶときのアドバイス
体の右側左側を同時に調整することを、「両側統合」といいます。まずは体の右側と左側の動きを同じにするポーズから楽しみましょう。チョキのポーズだけ片足をあげるので、左右の動きが別になり少しむずかしくなりますが、変化を楽しませましょう。
大人の声を聞き分けて、瞬時にポーズをとります。柔軟に切り替える力も育まれます。大人が指示を出すタイミングを早めたり、ゆっくりしたりすることで、子どもは聞き分ける力とともに、ポーズを維持するために固有感覚や前庭覚をしっかり使うこともできます。
遊びをアレンジ
全身じゃんけん
このポーズを使って実際にじゃんけんをします。負けた子はその場で 1回転するなど、ルールを決めておくと盛りあがります。
全身じゃんけんパート2
じゃんけんで勝った子が負けた子に、「走る」「歩く」と指示します。負けた子は指示に合わせて、勝った子の周りを1周します。
ここからやってみよう!
両側統合の感覚を養うことは、片手で紙を安定させ、もう一方の手で書いたり切ったりするなど、右別々の動きをする高度な動きにつながります。左右同時の動きから、左右別々の動きへと発展させていく遊びが有効です。子どもが上手にポーズをとれるようになったら、ポーズも変えてアップデートしてみましょう。
【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美
【書誌情報】
『発達が気になる子の感覚統合遊び』
著:藤原里美
子どもの困った行動には意味があり、感覚統合の視点から理解すると、これらは感覚情報の処理がうまくいかない結果であることがわかります。感覚統合は「発達凸凹」の子どもたちの支援に重要で、「遊び」を通じて子どもの能力を引き出す方法が強調されています。「発達が気になる子の感覚統合遊び」では、理論編と実践的な遊び編で構成されており、100以上の遊びを紹介しています。遊びを通じて子どもの情動を安定させ、成長を促すことを目的としており、子どもの理解と支援を促し、幸せな未来を共に築くために読んでおきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.08.22