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ヨシュアと約束の地カナン【聖書】

Text:渋谷伸博

契約の箱が起こした奇跡

モーセの後を継いだのはヨシュアでした。ヨシュアはモーセの腹心で、モーセがシナイ山に登った時も途中まで従っていました。

新たなイスラエルの民たちの指導者となったヨシュアの使命は、*約束の地カナンへと民たちを連れていくことでした。 しかし、そこには難問がいくつもありました。

その1つがヨルダン川の渡河(とか) でした。十戒の石板を納めた契約の箱を先頭に立たせて進むと、川の水が壁のように立ち上がったため、民たちは干上がった川底を歩いて渡ることができました。

さらなる難題はカナンの地を占拠していたエリコやアイなどの都市国家でした。それらの町は厚い城壁で囲まれ、攻めるのは容易ではありません。

しかし、これらを打ち破らなければ、イスラエルの民たちが住み着くことはできません。

これについても神が知恵を授けてくれました。それは契約の箱とともに城壁の周りを7日間めぐるというものでした。

祭司の角笛に導かれて、兵と祭司たちに担がれた契約の箱は、エリコの城壁の周りを毎朝1度ずつ回りました。そして、7日目には7度回り、回り終えたところで一同が大声をあげたのです。その途端に城壁は壊れ、町は簡単に占領することができました。

アイの町も計略で滅ぼし、ヨシュアは着実にカナンの地を平定していきます。そして、この地をイスラエルの12部族にクジで分配したのです。

なお、新約聖書のマタイによる福音書によると、エリコ陥落に功績があった遊女ラハブはルツの夫となるボアズの母であり、ダビデやヨセフ(イエスの養父)の先祖だとしています。

用語解説 *約束の地カナン 神はモーセを召命した時、イスラエル人を、カナン人やヘト人など数民族が住む広々としたすばらしい土地へと導くと約束した。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』
著者:渋谷伸博  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宗教史研究家。よみうりカルチャーなどで神話をテーマとした講座も開講している。著書多数。近著に『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』『聖地鉄道めぐり』『神々だけに許された地 秘境神社めぐり』『歴史さんぽ東京の神社・お寺めぐり』(いずれもジー・ビー)、『あなたの知らない般若心経』(宮坂宥洪監修、洋泉社新書)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)などがある。


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