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ヤコブが夢にみたハシゴ【聖書】

Text:渋谷伸博

神と格闘をしたイスラエルの祖

アブラハムの子イサクにはヤコブとエサウという双子がいました。先に生まれたエサウは長子として扱われ、イサクも巧みな狩人に成長した彼を愛していました。

しかし、弟のヤコブは料理と引き換えにエサウから長子としての権利を得たうえ、エサウに変装するという母の計略に従って、父イサクからの*祝福も奪ってしまいました。

怒ったエサウはヤコブを殺そうとしたので、ヤコブは母の兄のもとに身を寄せることにしました。

その途上、ヤコブは天まで届くハシゴを天使(神の御使い)が上り下りするという不思議な夢をみました。

伯父の家に着いたヤコブは伯父の2人の娘を妻に迎え、その報いとして熱心に働きました。そして、伯父の家畜を増やすとともに、自らも財産を増やし12人の子どもにも恵まれました。

 

この12人の子どもがイスラエルの12部族の祖先となるのです。

伯父は財産を増やすことに長けたヤコブを身近においておこうとしましたが、ヤコブは故郷へ帰ることを決意し、伯父のもとを抜けだし、家族や家畜などを引き連れて旅立ちました。

ある場所で野営している時、見知らぬ者がヤコブに格闘を挑んできました。戦いは夜明けまで続き決着はつかなかったので、その者はヤコブの腿(もも)の関節を脱臼(だっきゅう)させました。

 

実はその者は神で、ヤコブの奮闘を褒ほめたたえたうえ、「これからはイスラエル(神に勝つもの)と呼ばれる」と告げたのです。

故郷に帰ったヤコブはエサウと和解し、父イサクとの再会も果たしました。

用語解説 *祝福 神から恩寵(おんちょう)を受けること。ここではイサクがアブラハムから受け継いだ長子の権利を授けることを意味する。こうした祝福は誤りであっても変更不能とされた。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』
著者:渋谷伸博  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宗教史研究家。よみうりカルチャーなどで神話をテーマとした講座も開講している。著書多数。近著に『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』『聖地鉄道めぐり』『神々だけに許された地 秘境神社めぐり』『歴史さんぽ東京の神社・お寺めぐり』(いずれもジー・ビー)、『あなたの知らない般若心経』(宮坂宥洪監修、洋泉社新書)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)などがある。


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