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ヤコブの愛(いと)し子、ヨセフ【聖書】

Text:渋谷伸博

どん底に落とされた男がもっていた夢判断の能力

ヤコブには12人の子どもがいました。なかでもヨセフのことをとくに愛していたのです。このため、ほかの兄弟からねたまれてしまいます。 しかもヨセフは、兄たちが自分にひれ伏すことを予言するような夢をみたと話し、さらに憎しみをかき立ててしまうのです。

腹を立てた兄たちはヨセフを穴に投げ込んでしまいます。そこに商人たちが通りがかり、ヨセフは引き上げられて、エジプトへ向かう隊商に売り飛ばされてしまいました。

エジプトに連れてこられたヨセフは、ファラオ(王)に仕える役人ポティファルの奴隷とされますが、神の恩寵(おんちょう)によりヨセフは家の管理を任されるようになります。

一方、ポティファルの妻はヨセフが美形であることに目をつけ、夫が留守の時に誘惑しようとします。しかし、ヨセフに拒絶されたため、逆に襲われたと夫に訴えました。

ヨセフは牢(ろう)に入れられることになりましたが、ここで*夢を読み解く才能を表します。その評判がファラオにまで届き、ファラオは誰も読み解けなかった自分の夢を判断させます。

ヨセフは、その夢を7年の豊作の後に7年の飢饉(ききん)があることを示しているのだと言い、穀物の備蓄をファラオに勧めます。ヨセフの知恵に感銘を受けたファラオは自分に次ぐ地位を与えました。

そして、ヨセフが読み解いた通り飢饉が起こり、周辺の地域からも穀物を求めて多くの人がエジプトを訪れました。その中にはヨセフの兄弟もいました。

ヨセフは兄弟を許して歓待し、父ヤコブもエジプトに連れてくるように言ったのです。

用語解説 *夢を読み解く才能 夢は神からの啓示を受ける方法の一つであるが、それを読み解く能力は神に選ばれた者にしか宿らないと信じられていた。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』
著者:渋谷伸博  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宗教史研究家。よみうりカルチャーなどで神話をテーマとした講座も開講している。著書多数。近著に『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』『聖地鉄道めぐり』『神々だけに許された地 秘境神社めぐり』『歴史さんぽ東京の神社・お寺めぐり』(いずれもジー・ビー)、『あなたの知らない般若心経』(宮坂宥洪監修、洋泉社新書)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)などがある。


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