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日本男子バレーの45年ぶり準決勝進出を阻んだ勝因はブラジルの忍耐力【東京オリンピック】

東京五輪 バレー男子日本代表 日本ブラジル戦コラム

準々決勝、日本対ブラジル 勝因はブラジルの忍耐力

リオ五輪金、世界ランク1位のブラジル対開催国、日本の対戦となった準々決勝。ブラジルが3-0で勝利し、準決勝に進んだ。この試合をブラジルの視点から振り返ってみよう。


■試された忍耐力
2016年のリオ五輪で金メダルを取った後、ブラジルには大きな課題があった。世界屈指のリベロ、セルジオ・サントスが引退し、次のリベロは誰か? ということであった。セルジオと同等レベルのリベロの育成は容易ではない。そこで取り組んだのが、チーム全体でのレシーブ力向上、2段トスの精度を高めること。トスについてはレシーブが乱れても、誰もがどこにでもあげられるようになることだ。リベロのターレス・ホスがアンダーからのトスが多い中で、OPワラセ・デ・ソウザは短くMBへ、低く速くOHへ、そして自身が打つと見せかけて逆サイドのOHへ振るなど、緩急つけた種類がチーム全体で増えた。今日の試合では、ワラセとは逆側になる、日本のOH石川選手からOP西田選手へ切り替えるトスが美しく、タイミングも良く、ブラジルのブロックも追いつけず見事であった。


試合全体で試されたのは、ブラジルの忍耐力だった。ブラジル得意のサーブ&ブロックの速いテンポで進めることができない。ここでブラジルがイライラあせっては、日本の思うつぼ。特に2セット目では日本を終始追いかける形になったが、あせって自滅しないでチャンスを待って17-17で追いつき、逆転に成功した。3セット目は後がない日本に焦りもあったのか、日本のミスが増える中で、落ち着いたブラジルが点を重ね3-0で勝利した。負けはしたが、日本が全てを出し切ったと思えるいい試合であった。試合後、ブラジルのキャプテン、ブルーノ・レゼンデが、モデナで一緒にプレーした日本のキャプテン、石川選手に歩み寄り、互いの健闘をたたえあう場面が印象的だった。


■試合後のコメント(TV Globo、CBV、FIVBのインタビューより)
OPワラセ・デ・ソウザ選手:こういった展開になるとみんなわかっていました。日本はとことん拾ってつないでくる、コートカバーもいい。自分たちは難しい局面で集中して、凡ミスをせず、ブロックをされないことだと思った。リベロのターレスがよく上げて、みんなもつないで踏ん張ることができた。試合前にプランした通りの試合運びにできたし、サーブも攻撃的にいけたと思うので、それを覆すのは日本には難しかったのではないかと思う。

OHルカレリ・ソウザ:いくつかのミスは避けられるものでした。まだ精度をあげないといけない部分がありますね。いつもみんなで話しているんですが、完璧という状態はない、だけどチーム一丸になって少しでも最高の状態に近づかなくてはいけません。

OHヨアンデイ・レアル:私たちがしっかり集中して、高いレベルで試合できたことが、日本戦の勝因だと思います。チームはとてもいい状態だと思います。次はもう一度(予選リーグで同グループだった)ROC(ロシア)とあたります。しっかり休んで、タフな試合に備えたいと思います。

取材:ブラジル在住 唐木田 真里子

写真提供:FIVB

情報提供『バレーボールマガジン』
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