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深層筋にミオグロビンが増えるといいことがたくさん!

Text:加藤雅俊

深層筋にミオグロビンが増えると、体にさまざまな変化があります。肥満の改善に始まり、日常生活のなかでこれまでとの違いを実感できるはずです。

活動代謝量が上がる

活動代謝量とは、日常生活で使われるエネルギーのこと。これに対し、基礎代謝量は、生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギーのことで、寝ている間など、安静時にも必要なエネルギーです。ミオグロビンが増えると、特に活動代謝が上がりますので、掃除や洗濯をする、会社に行く、買い物に出かけるといった日常的な行動においても、脂肪が燃えやす い体質になります。〝痩せの大食い〟の人というのは、まさにこの活動代謝量が多い人です。活動代謝が上がれば、もちろん、たくさん食べても太りにくくなります。ストレッチやウォーキングなどの運動も、得られる効果が高くなります。

足腰や体幹が丈夫になる

体の土台となっている深層筋は、長い年月をかけてゆっくりと退化していきます。仕事や生活習慣によって同じ部位に負担がかかり続けると、ある日突然、痛みとなって襲ってくるのです。表層筋は、外の刺激から体を守るクッション役でもあり、も し損傷をうけた場合でも4日程度で回復します。例えばプロ野球では先発投手が何人かいて、中4〜5日のローテーションで試合に出ますが、これは、酷使した表層筋を回復させるために必要な最短日数です。しかし深層筋の場合、回復までに200日くらいかかりますので、日頃から鍛えておくと安心です。これまで五十肩がなかなか改善しなかったという人も、深層筋を強化することで予防や改善につながります。

階段を楽に上がれる

中高年になると「階段がつらい」と口にする人が増えてきます。階段や坂道は、平らな道に比べて大きなエネルギーが必要になるため、つい楽なエスカレーターを選んでしまいます。階段を上るときに息切れするのは、体が大量の酸素を必要としている、いわば、退化しているというサインです。酸素を取り込む力が追いつかないと、血管にあるセンサーが働いて「もっと呼吸をしなさい!酸素を取り入れなさい!」という指令が下されます。それが「ハァハァ」という速い呼吸になるのです。しかし、深層筋を強化すると体力がつき、こうしたつらさからも解放されます。ミオグロビンが増えて酸素の貯金ができ、酸素がたくさん必要になったときに体が即座に対応できるのです。以前はつらかった階段も、自然と楽に上がれるようになるでしょう。試しに、よく利用している階段を上がり、息が落ち着くまでどれくらい時間がかかるか、計ってみてください。いつもより早く息が整うようになったら、着実に、ミオグロビンは増えています。

体が引き締まる

肥満を予防するだけでなく、見た目がスリムになりたいという人も、深層筋の強化は効果的です。筋肉量が増えると一時的に体重は増えますが、結果的に脂肪が減るので全体的に引き締まってきます。内臓脂肪型肥満の「ぽっこりお腹」の解消にも役立ちます。

栄養がしっかり活かされる

「きちんと食べてスタミナをつけているのに、すぐに疲れてしまう」と感じることはありませんか? 実はこのような症状も、細胞に酸素が行き渡っていないことが一因かもしれません。食事で取り入れた栄養は血液によって全身の細胞に届けられ、細胞内で酸素と一緒になることで、体をつくる材料や、エネルギーとして使える形になるからです。せっかくの栄養を十分に活かせていないなんて、もったいないですよね。ミオグロビンを増やせば、このような悩みも解消できます。

【書誌情報】
『肥満がいやなら 肺を鍛えなさい』
著:加藤雅俊 (薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家)

肺の主な役割は「呼吸」と「血液循環」。酸素を含んだ血液を体内に循環させているが、十分に機能しないと不調を招く。 本書では、肺を鍛える方法として「肺ストレッチ」を提案。肺と血液の関係を説明しながら、その方法を紹介する。