筋肉痛は筋線維が傷むことによって起こる
日常的に体を動かして練習やトレーニングを行うと、筋肉は曲げ伸ばしを繰り返しながら力を発揮します。
適切な強度であればさほど問題ありませんが、普段使わない 筋肉を激しく使ったり、何度も同じ動作を繰り返したりすると、やがて筋肉痛が現れます。
筋線維には筋収縮によって細かなキズ(微細損傷)ができるのですが、傷んだ筋線維の修復にはさまざまな化学物質が関わり、神経を刺激したり、炎症を引き起こしたりして痛みを感じるといわれています。
こうした過程を経て、筋肉は筋肉痛を起こした負荷に負けないように太く、強く再生されるため、体づくりのために行うトレー ニングにおいて、筋肉痛は避けては通れないものであるともいえるでしょう。
いつも行っている練習量や負荷であれば、体が自然とその負荷に慣れて筋肉痛を起こさなくなりますが、負荷が大きくなればなるほど筋線維などに与えるダメージは大きくなり、筋肉痛を引き起こすと考えられています。
食べずに済ませられるものはなるべくとらないようにし、普段から栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
以前は体内にたまった乳酸が筋肉痛の主な原因と考えられていましたが、乳酸はエネルギー源として体内で再利用で
きるため、現在では筋線維の損傷による修復過程での刺激・炎症などによって筋肉痛が出現すると考えられています。
軽度の場合は運動後〜数日で症状が軽減します。
【書誌情報】
『基礎から学ぶ スポーツセルフコンディショニング』
著:西村典子(アスレティックトレーナー)
近年、セルフコンディショニングという言葉を聞けば、自分自身で自分の体を良い状態に保つための取り組みであることが理解されるようになってきましたが、やはり、その内容は奥が深く、まだまだ正しい知識が広まっていないのが現状です。そこで、本書では、数々のプロスポーツ選手を指導した経歴を持つ日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーである西村典子氏による環境に頼らず自分自身をアップデートする基礎から学ぶセルフスポーツコンディショニングを3つのパートに分けてわかりやすく紹介。結果を出すアスリートは必ず実践しているコンディショニングは必見です。
公開日:2019.09.20