液体の水が存在することが生命生息の条件
地球の内部に「核」と「マントル」が形成され、表面が「海」と「大気」「地球磁場」で覆われてきたことをお話ししました。
38億年前までに原始地球を舞台にでき上がったこうした環境こそ、地球が生命をはぐくむために準備されたシステムといえるものです。
ドロドロに溶けた鉄が地球の中心部に集まってできた「核」は、流動することによって電流が生じ、「地球磁場」ができます。これが、生物に有害な太陽風などをさえぎってくれます。
ちなみに、現在の地球は固体の鉄からなる「内核」と、溶けた鉄からなる「外核」に分かれていて、外核の鉄が流動することで地球磁場が保たれています。
そのころの「大気」には二酸化炭素などの温室効果ガスが大量に含まれていましたから、地球表面の水は凍ることなく液体の状態で存在できました。
実は、生命が生息するための絶対条件が液体の水があるということなのです。
「海」は、太陽の熱で温められた赤道付近から、温まりにくい極エリアへと熱を運び、地球全域をまんべんなく温める役割を果たしていました。
「マントル」は、「核」の熱によってお風呂のお湯のようにゆっくりと沸き上がり、沈み込むマントル対流を繰り返していました。
この過程で「熱水噴出孔」などによって生命のエネルギー源になる物質がつくり出されてきました。また、マントル対流によって陸地もだんだんと形成されてきました。
これらの要素がさまざまに絡み合って、地球が「生命のゆりかご」となっていったのでしょう。
シリーズ累計220万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
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気になる中身を少しだけ紹介①!「もし月がなかったら地球はどうなる?」
惑星と衛星がお互いにこれほど作用し合うのは、太陽系では地球と月だけと考えられています。そんな月がなかったら、海の満潮、干潮はもちろんのこと、地球はいまのような「命の惑星」ではなかった可能性があります。
たとえば、月の潮汐力は地球の自転スピードを遅くする作用をしています。もし月がなかったら、地球は1日8時間という猛烈なスピードで回転していたと考えられます。
そうであれば地表も海も大荒れの状態で、もし生命が誕生できたとしても、現在の人類のような進化は望めなかったでしょう。
もし月がなかったら、地球の自転軸は不規則に変化し、大規模な気候変動が起こっていたはず。このように唯一の衛星である月こそが、地球に生命の誕生をもたらしたと考えられるのです。
気になる中身を少しだけ紹介②!「宇宙の膨張は加速しているってホント?」
宇宙が膨張していることが明らかになったのは、1920年代のことです。いずれ膨張のスピードは落ち、やがて収縮していくのではないかと考えられていました。ところが、1998年。驚くべき発見がありました。それは宇宙の膨張は遅くなるどころか、加速しているというものでした。
さまざまな観測結果から、ダークエネルギーは水素やヘリウムなどの通常の物質の約18倍、ダークマターの約3倍存在すると考えられていますが、多くのことはわかっていません。しかし、このダークエネルギーが膨張する宇宙の未来に関わっていることは間違いありません。
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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一
地球は宇宙のどこにあるの? 太陽が巨大化するってホント? 宇宙はいくつもあるの? 素朴なギモンに即答.。宇宙のナゾに迫る! 地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、約50のテーマで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2022.10.06