【ピンニング】廣戸聡一による動作レクチャー解説
身体の一部分を止めて協応性を高める。
どんな競技でも、動いてはいけない身体の基軸が動いた時点で力が抜けてしまいます。たとえば両手足と頭の5点が基軸の場合、両手足の4点で圧力をかけても、頭を動かせば力が抜けてしまいますから、力を残すためには頭を止めておかなければなりません。これを「ピンニング」(座標維持)と言います。力が抜けてしまうと、筋肉だけで動かなければならないため、全身の協応性が失われ、動きのバランスを崩すことになります。
ですから「ピンニング」という技術を使って、協応性を獲得しなければならないのです。言うなれば、ピンニングは「トランスフォーム」の究極の形です。つまり、骨格の一部に脳から「ピンニング」の指令が下ると、体幹の変形によって骨格の協応性をフル稼働させ、ピンニング部分が空間座標上、ピンで固定されているように見えるのです。
さまざまな「ピンニング」
①力を抜かないためのピンニング
頭、両手足をピンニングすることで、身体のパワーを保持します。
②タイミングをずらすためのピンニング
手足のピンニングでインパクトを外したり、タイミングをずらしたりすることができます。
③道具のピンニング
スティックやボールなど、道具をピンニングすることで自分が動き、思い通りに道具をコントロールします。
④ターゲッティングを含めたピンニング
インパクトポイントをイメージして、動くターゲットをそのポイントで捉えられるようにします。
【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一
「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!
公開日:2021.06.05