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人間はなぜ二足歩行をするようになったか!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

四足歩行から二足歩行へ

●脳の発達が二足歩行を促した
人間の身体を知るために、まずはその進化の過程を振り返ってみましょう。地球上に最初の生命が誕生したのはおおよそ37低年前のこと。そこから生物は進化を繰り返し、さまざまな種類に枝分かれしてきました。その中で人間は、ほかの動物と違い「直立二足歩行」をするようになりました。

なぜ二足歩行をするようになったかは諸説ありますが、前足でより細かい動きができるようになったことは、確かな進化と言えます。前足を両手として使うことで、木の上の食べ物を採ることができるほか、石や槍を投げる、道具を使って物を切ることなどができるようになり、また、運動の範囲が広がったことで長距離を移動する能力を獲得し、生活圏が広がりました。

一般的には、二足歩行になったために脳が発達したという考え方が多いようですが、脳が発達したために「前足を(手として)使ってみよう」という司令がなされ、その刺激に骨格が反応して、二足歩行への変換が行われたのだろうという考え方も想像できます。また、「つかむ」「投げる」「切る」といった、ほぽ人間にしかできない動作を身につけることができたのは、生きるためであり、種の存続のためだったと推測されます。

●「強さ・速さ」から「安定」を求める足の形に
四足歩行では、脊柱は梁のようにアーチ形になっており、そこに内臓がつり下がるように収まっていました。しかし、二足歩行になると、脊柱は脚と同じように垂直位に変化。そこで上下に重なる内臓の重さを支えるため、平板だった骨盤がボウル形に変化したのです。

そして、足の骨の配列にはほとんど変化がありませんでしたが、骨の使い方が大きく変わりました。四足歩行では、つま先立った形でテコの原理を働かせることで、骨格自体をバネ仕掛けのようにして使っていました。バネを衝撃として使うことで、高いジャンプカが生まれ、強さや速さを獲得していたのです。

一方、二足歩行になると、足は安定して地面を踏むために、いくつものねじれに対しての能力を持つようになりました。前足を手として使うために、後ろ足の使い形が変わってきたのです。

四足歩行【ネコ】

内臓は脊柱からつり下がるように収まり、足は、つま先だった形で骨格をバネ仕掛けのように使い、強さや速さを獲得している。足回りを覆う多量の筋肉もその出力を助けている。


二足歩行【ヒト】

内臓を支えるため、骨盤がボウル状に。かかとを地面につけ、足を平らに使うことでバネの反発力は減ったが、二本足でも立てる安定を得ている。


【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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