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立つ、座る、歩く、走る、跳ぶ、泳ぐ、など全ての動作に必要不可欠なものとは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

「軸」とは理想的な骨格のつながり

●「軸」を作れば身体は安定する
人は、立つ、座る、歩く、走る、跳ぶ、泳ぐ、などといったすべての動作において、身体に軸を形成し、それを基に動いています。軸が存在するからこそ、人の動作は安定し、目的を確実に達成できるのです。高い効率性や細部の緻密さを必要とする動作では、特に軸の形成は不可欠になってきます。

軸とは、骨格を動かすための5つの基点(5ポイント)を結んだ、脳に存在する観念上の直線のことです。「5ポイント」は「首の付け根」「みぞおち」「股関節・仙せん骨こつ」「膝」「足底」の5つを指します。これらは、身体の中で異なる動きや役割を担うブロック同士をつなぐ接合部(関節)で、動作を行う上での重要なところです。

たとえば、首の付け根から上の頭部と下の胸きょう郭かくでは動き方は異なりますが、互いに動きを干渉されすぎることなく接合しています。この5つの起点が重力線上に垂直に揃えば、それぞれのブロックが個々に動いても身体全体のバランスは崩れません。つまり、2本の足で立ち、脳を中心にして、5つの基点を重力線上に垂直に揃えたとき、身体はもっとも安定する。これが軸であり、その基本は5つの基点が揃った「5/5」の状態です。ですから、基本となる軸は、身体を安定させるための重心の軸になります。

そして、身体を動かすときは、3つの基点を身体の安定確保に、残りの2つの基点を動きや体勢の変位に振り分け、「3/5」の状態を作ります。ここからは4タイプの特性に分かれ、基点の組み合わせ方はタイプによって異なります。

●「軸」は立体的に存在する
すべての動作で軸が存在するのは、動作に移るための構えの状態に自然となっているからです。野球や剣道、ボクシングなど、どんな競技であっても、構えと言えば自動的に軸を作っています。構えとは、何らかの動作を行える状態です。その際、正面からは3つの基点がまっすぐに揃わず、軸がないように見えても、人間の身体は立体物なので、側面から見たら軸が作られていることも多くあるのです。

たとえば、姿勢を崩して椅子に寄りかかり、足を投げ出して座っているとします。このように積極的に身体を使う意思がないとき、正面からは軸がないように見えます。しかし、側面から見たときには首の付け根と骨盤、足首を結ぶ軸ができています。つまり、軸は正面(左右)だけでなく前後にもあるのです。

●「軸」は自然にできるもの
人間の身体には生まれながらにして、軸が備わっています。そういう風に骨格ができているのであり、脳はそのことを知っているのです。しかし、成長し、トレーニングをする中で、「良い姿勢」を作ろうとして不自然なクセがついてしまい、本来の軸を忘
れてしまうことが往々にしてあります。大事なのは、あくまで自然に無理して作り込まず、身体が心地良いと感じられる状態(ニュートラルな状態)に立ち帰ることです。


【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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