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乳幼児のタイプで違う子どもにとって心地良い抱き方とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

乳幼児期は自然な動きで成長する

●寝返りからハイハイへ、乳児期の発達
乳児期から幼児期の子どもは、誰にも強制されず、自分にとってもっとも自然であり、負荷が少なく、身体全体の能力を最大限発揮できる使い方を自ずと学んでいきます。産まれたばかりの乳児は、母親の産道を通り抜けたときの名残で、頸けい椎ついが柔らかく首が座っていません。この時期は手足の末端が反応する程度の運動しかできませんが、自分の手先や足先を舐めることで、手足と胴体の比率や顔の大きさなどのスケールを知り、脳は自分の骨の座標を学んでいきます。

そして、身体をコントロールするイメージが脳にインプットされると、全身運動を行うようになります。それが、寝返りです。脊せき椎ついをコントロールして身体を浮かすことで、自分の表と裏の感覚を得て、そこから徐々に手の力と体幹を使って四つん這いになっていきます。その間も、抱っこで母親にしがみついたり、脇の下に手を入れられることで肩まわりの関節や筋肉を強化したり、縦抱っこで重力に対しての脊椎の強度を高めたりと、立って歩けるように成長していきます。

寝返りに続いて、四つん這いでお尻を上げられるようになると、手のひらが自分の身体を垂直に支える感覚を覚えていきます。重力に対して垂直や水平に負荷がかかることは、トレーニング機器を使っていることと同じで、自重によって乳児は体幹が鍛えられていくのです。その後、脚の動きに余裕が出てくると、手の動きと連動して蹴り出す動きが現れ、ハイハイになっていきます。

幼児のハイハイでお尻がモコモコと動くのは、体幹部が立体的に動いているからで、脊椎の蛇動(波のようにうねらせる動き)や前後左右のローリングを、手足の4つの支点で受け止めています。このあとは立ち上がり、歩くようになりますが、頑張らせて歩かせる必要はありません。乳幼児期の発育には個人差があり、速度も形状もさまざまですが、重要なのは子ども自身が本能的に動きを獲得していくことです。ですから、この時期は大人が手出しせずに見守ることが大切です。むやみに動きを促すことは、脳の発達にも影響を及ぼしかねません。

知っておきたい乳幼児のタイプ別動作

乳幼児期に誰にも強制されずに体得した動作は、個々により細部の使い方が異なっています。これは生まれ持ったタイ
プの違いによるもの。子どもにとって心地良い抱き方や、動きのポイントを覚えておくと良いでしょう。

●抱っこの仕方

【A】膝とみぞおちを一緒に抱っこすると心地良い。


【B】脇の下、骨盤回りを押さえると心地良い。


●つかまり立ちの仕方

【A】膝で乗り込んで立ち上がろうとする。


【B】かかとの上に骨盤を乗せて立ち上がろうとする。


●しがみつき方

【A】巻き込み型。肘を締めるようにしてしがみつく。足は膝を締めるようにする。


【B】引きつけ型。脇を締めるようにしてしがみつく。足は股関節とかかとで挟み込む。


【クロス】手のひらを上下にずらすと、力が入りやすい。


【パラレル】手のひらを重ねてしがみつくと力が入りやすい。


【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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