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阿河徹が語るアマチュアが上手くならない理由とは?【100を切れない7つの理由・10の上達法/阿河徹】

Text:阿河徹

アマチュアが上手くならないのはインサイドアタックができないから

アマチュアの方のレベルがだいたいどのぐらいかというと、コンスタントに90を切れる人は少ないのではないかと思います。たとえば会社で40~50人規模のコンペがあった場合、80台で回れる人はおそらく5人未満なのではないでしょうか。こういう上手な人たちは社内で「○○プロ」などと呼ばれ、一目置かれる存在になっていることでしょう。

つまり、ほとんどの人がを切れないわけですが、なぜ切れないかをスイングのメカニズム的に考えてみると、インサイドアタックが発生していない、ということに集約されるような気がします。

ゴルフスイングは円弧であり、正面から見ても、自分から見ても、クラブヘッドは円を描きます。よくインサイドインなどと言われるように、自分を主体として見た場合、ボールに対してクラブヘッドはインサイドから入ってきてインパクトを迎え、ボールにアタックした後は、再びインサイドに抜けていきます。

ところがアマチュアの多くが、このインサイドアタックが発生していないのです。クラブヘッドは外から入ってきて、なおかつインパクトでフェースが開いています。

要するにアウトサイドアタック+オープンフェースの状態ですね。そのためにボールが左に飛び出てから右に曲がるスライスボールになるのです。

スライスボールだって飼いならせばスコアメークできるじゃないか、と思われる方がいるかもしれませんが、そうでもありません。このスイングだとスピードが出せないんです。私はスイングによって生まれるパワーを「出力」と表現していますが、出力があまりにも低いので、ティショットは飛ばないし、ラフからも上手く出せない、ということになり、コンスタントに90を切るのは難しくなります。

もちろんアウトサイドアタックで長年ゴルフをされている方も大勢いるのですが、キャリアが長ければ長いほど、フォームがダイナミックになるという傾向があります。おそらく社内のシングルさんや、80台で回っている人のフォームは、見ている人を圧倒するようなダイナミックさはないと思うのですが、年間ずっと110前後で回っているようなベテランは、物凄くダイナミックな場合があります。

グワッと高く振り上げて、全身の力を込めてインパクト、フォローでは後ずさりして歩くような人っていませんか? ほとんど阿波踊りかリオのカーニバルといった感じなんですが、これではスイングのメカニズム的に出力が出せないので、クラブを高い位置に持っていったり、体を大きく揺らすことによって出力を確保しようとしているんですね。クラブに仕事をさせるのではなく、自分に仕事をさせようとしているんです。

クラブを外から入れてくるという動作で打つ場合、ノーマルなスピードだとせいぜいキャリーで150~160ヤード飛ばすのが精いっぱいです。だからこそカーニバルが始まるのですが、若い人などもともとパワーがある人は、キャリーで200ヤード以上飛ばせることもあります。そうすると100を切ることはできるのですが、こういう人がゴルフコンパなどに参加すると当たらなくてボロボロになったりします。

なぜかというと、ふだんは出力を抑えることでフェースをスクエアに戻し、ボールをコントロールしているのですが、女のコの前でテンションが上がると出力も上がってしまい、ダウンスイングで体が早く開き、手が体から離れてしまうからです。こうなるとフェースは戻せなくなり、いわば開きっ放しの状態になりますし、ヘッドはボールの遥か手前に落下してしまい、いわゆるチョロになります。

焦れば焦るほど手は前に出ますから、ますますボールとクラブフェースがコンタクトしにくくなり、辛い1日を過ごすことになるわけです。

【書誌情報】
『100を切れない7つの理由・10の上達法 劇的に上手くなるスイングの作り方』
著者:阿河徹

なかなか上手くならないアマチュアゴルファーのスイングには、致命的な欠陥がある。そこで本書では、アマチュアのスイングの悪いクセを7つを解説。さらに、著者が「スイングの設計図」と呼ぶ、正しいスイングの動きをイラストでわかりやすく紹介する。そして、その基本の動きが身につき、上達に役立つ10のスイング・ドリルも公開する。スイングに悩んでいる人をはじめ、これからスイングを学ぶ人、基本を再度見直したい人も活用できる一冊である。