水泳[平泳ぎ]競技別解説
蛇動を推進力にした波乗り
平泳ぎは、蛇動動作をすることで身体を前後に波立たせ「全身で波乗りをするように進む競技」です。クロールでは左右のうねりで水に乗りますが、平泳ぎでは前後のうねりを推進力として使います。手で水をかいて進むというよりは、体幹部をコントロールして蛇動を行う中で、いかに水を後ろに運び、水に乗っていくかということが重要です。その際には、体幹と連動する脚まで意識して蛇動させることがポイントです。
また、蛇動の動きの中で、いかに効率的に息継ぎをするかがスピードを左右するカギ。顔を上げてしまうと推進力が弱
まるため、胸きょう郭かくが内側に入ったときに懐に空間を作り、一瞬水面から顔が出たときに息継ぎをします。蛇動をしながら手で水をかくという動きは、想像以上に難しいものですので、立体的な軸を作るトレーニング「コアシックス」を行うといいでしょう。
競技の起源
水泳技術の発生については、16世紀の古文書までその歴史を遡ることができるが、水泳がスポーツとして行われるようになったのは19世紀になってから。この頃の泳ぎの主流は横泳ぎと平泳ぎだったが、当時は息継ぎの習慣がなく、顔を水につけずに泳ぐのが一般的だったため、平泳ぎがもっとも伝統のある優雅な泳ぎとされていた。
腕の動かし方
蛇動しながら手で水をかき、前後のうねりを前への推進力として利用するため、背骨の前後への屈曲可動を高める必要がある。
【A】「スーッスーッ」と進む
Aタイプは、腕を前に伸ばしたタイミングで推進します。「スーッスーッ」と進むイメージです。
【B】「グッグッ」と進む
Bタイプは、伸ばした腕をかき込むタイミングで推進します。「グッグッ」と進んでいくイメージです。
【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一
「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!
公開日:2021.06.17