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十字軍の功績と罪!度重なる遠征で彼らはヨーロッパに何をもたらしたのか?【世界史】

Text:鈴木 旭

聖地エルサレム奪還の大遠征

世にいう十字軍とは、1950年、北イタリアで開催された公会議に派遣されたビザンツ帝国の使節が、イスラム教徒のセルジューク朝トルコ軍に聖地エルサレムが占領され、聖地巡礼が迫害されたと大袈裟に報告したことから始まった。

早速、同年十一月、南フランスのクレルモン公会議でローマ教皇ウルバヌス二世は「忌まわしい民族(トルコ人)を根絶やしにせよ」「参加者は世俗の罪が許される」とすべてのキリスト教徒に呼び掛けた。教皇の呼び掛けは熱狂的な反応を全ヨーロッパに引き起こした。

翌年八月、南フランスに集結した遠征軍は総勢六万人。フランス、イタリアの騎士団、諸侯が中心であり、教皇から破門されているドイツの参加はなかった。彼らは一団(十字軍)となって軍を進め、エルサレムに到着するとイスラム教徒は歓迎してくれた。十字軍を聖地巡礼団だと思って食料を与え、道案内をしてくれたのである。ビザンツ帝国の使者の報告と違って異教徒同士、平和共存していたのであった。しかし、十字軍はエルサレムに乱入。数万のイスラム教徒やユダヤ教徒を殺害した。そして聖地解放を宣言し、エルサレム王国を建国したのである。

その後、前後百三十年間、六回も繰り返された十字軍の大遠征は所期の目的を達成した、成果を収めたと言えるのであろうか。結局、十字軍の「聖地解放」は果たせなかったのである。では、まったく無意味な行動だったのか。そうではない。十字軍に同行した商人団や多くの民衆は東方世界のイスラム文明に触発され、進んだ科学技術を学び取り、封建農村中心の停滞状況を打ち破り、近代への扉を開くのである。

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

いま地球規模の「人類史」という観点からも注目され、一方で一般教養、知識としても人気が高い「世界史」。世界規模の歴史を学ぶ上で大切なのは、歴史を流れとして捉えること、歴史にも原因と結果があり「なぜ」そこに至ることになったのか大もとの理由を理解すること、そして見ただけで忘れないようにビジュアルで視覚的覚えること。本書ではさらにアジアや日本の歴史とその役割にも重点を置き、最新の発見や新しい史論を取り入れた、世界史の学び直しにも、入門にも最適な知的好奇心を満足させる1冊。

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