ご祭神の神霊が宿っている
神社のお札を「字が書かれた紙切れ」と言う罰当たりはいないと思いますが、お札やお守りの意義がわかりやすいように、あえてこんな表現をしてみました。しかし、紙切れとは思わないものの、雑な扱いをしていませんか。神社でいただいたはいいが、どう扱えばいいのかわからないので机の引き出しにしまったまま、といった話をよく聞きます。
もし、このような状態であれば、すぐに改めてください。お札のお祀りの仕方は次項で述べていますので、参考にしてください。ここでは、お札は、なぜ大事にしなければいかないのかを説明することにします。お札は正しくは神札といいます。授与された神社のご祭神の神霊が込められているからです。お守りは、この神札を携帯できるようにしたものです。
けれども、お札に神霊を込めるとはどういうことでしょうか。神社には、〇〇八幡宮とか〇〇稲荷神社といったように同じ名前をもつものがたくさんあることにお気づきだと思います。それらは同じ神社の分霊を祀っているのです。そのもととなる神社のことを(総)本宮・(総)本社といいます。
分霊といってもコピーではなく、本宮とまったく同じ神様です。このようにいくつもの神社で同じ神様を祀ることができるのが神道の特徴です。同様にして、神札にも御祭神の神霊が込められているのです(ただし、分社のような完全な分霊ではありません)。いわば神様の分身なのですから、失礼のないように扱わなければいけないのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』監/渋谷申博
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷 申博
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公開日:2023.01.06