【神道とは】開祖も教典もない日本固有の信仰をわかりやすく解説!仏教・キリスト教との根本的な違い

神道は明確な定義ができない

 神道は、古代から続く日本固有の信仰です。なんだ、ちゃんと説明できているじゃないか、と思われるかもしれませんが、実は「ちゃんとした説明」になっていないのです。

 たとえば、「古代」とはいつのことをいっているのでしょうか。弥生時代でしょうか、縄文時代でしょうか、それとも日本列島に人が住むようになって以来ということなのでしょうか。また、「固有」とはどういうことでしょうか。外来の要素をまったく含まないということなのでしょうか。しかし、神道には海外から来たとされる神も信仰されています。

 そもそも一口に神道といっても、朝廷で行われてきたものと、各地の神社で行われてきたもの、庶民の間で信仰されてきたのでは、さまざまな点で違いがあります。また、時代によっても大きな変化がありました。もちろん、時代によって変化したのは神道だけではありません。どの宗教も何らかの変化を経ています。しかし、仏教やキリスト教などは、神道ほど説明に苦労はしません。

 仏教やキリスト教には開祖がいるからです。ですから、仏教は「釈迦が説いた教えに基づく宗教」、キリスト教は「神であるイエスが人々に伝えた教えに基づく宗教」といった説明ができます。

 しかし、神道には開祖はなく、日本各地で自然発生的に成立したものが、大和朝廷の発展に伴って統合されていったのです。その過程で外来の要素も取り込まれました。ただ、はっきりしていることは神道はいつの時代も日本人の心の拠り所となってきた、ということです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』著:渋谷申博

【著者紹介】
渋谷申博
宗教史研究家。1960年、東京都生まれ。神道・仏教などに関わる執筆活動をするかたわら、全国の寺社・聖地・聖地鉄道などのフィールドワークを続けている。近著に、『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』『眠れなくなるほど面白い 図解 仏教』(以上、日本文芸社)、『カラー版 神社に秘められた日本書記の謎』(宝島社)、『一生に一度は参拝したい全国のお寺めぐり』『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』(以上、ジー・ビー)などがある。

神道・仏教・キリスト教の「3大違い」を一覧表で比較

神道の特徴を最も簡単に理解するために、世界的な主要宗教である「キリスト教」や、日本で並行して信仰されている「仏教」との違いを表にまとめました。

比較項目神道(しんとう)仏教(ぶっきょう)キリスト教
開祖(始めた人)なし
(自然発生的)
釈迦(シャカ)イエス・キリスト
教典(聖典)なし
(『古事記』などは歴史書)
お経(大蔵経など)聖書(新約・旧約)
信仰の対象八百万の神
(自然、祖先、あらゆる物)
仏(如来・菩薩など)
※厳密には神ではない
唯一神(ゴッド)
死生観(死後)人は死後、氏神(神)となって子孫を見守る輪廻転生、または極楽浄土へ往生する天国、または地獄へ行く

なぜ神道には「教典」や「開祖」がないのか?

キリスト教の聖書や、仏教のお経のような「これさえ守れば救われる」という絶対的な教則本(教典)が神道にないのはなぜでしょうか。

それは、神道が「誰かが教えを広めるために作った宗教」ではなく、「日本人が自然の中で生きていく知恵や祈り」そのものだからです。

1. 「八百万の神(やおよろずのかみ)」という自然崇拝

古代の日本人は、荒れ狂う台風や地震に畏怖の念を抱き、一方で豊かな恵みをくれる山や川、巨木や巨石に感謝を捧げてきました。これら大自然のあらゆるものに神が宿ると考える「アニミズム(自然崇拝)」が神道のベースです。

自然そのものが神であるため、「人間が作った文字の教科書」は必要なかったのです。

2. 「大和朝廷」の発展と地域信仰の統合

日本各地の村々で個別に発生した「地元の神様への信仰」は、大和朝廷が日本を統一していくプロセスの中で、ゆるやかに一つのシステム(神道)へと統合されていきました。その過程で、海外から入ってきた仏教や道教、儒教の要素も柔軟に取り入れながら、日本独自の形へと変化してきたのです。

神道に関するよくある質問(FAQ)

Q. 『古事記』や『日本書紀』は神道の教典ではないのですか?

A. 教典ではありません。これらは神話や歴史を記した「歴史書」です。キリスト教の聖書のように「〜してはならない」といった戒律や教義が書かれているわけではなく、神々の物語が綴られている書物です。

Q. 神道には「戒律(守るべきルール)」はないのですか?

A. 仏教の「殺生をしてはならない」といった具体的な戒律はありません。その代わり、神道では「浄明正直(じょうめいせいちょく)」、つまり「清く、明るく、正しく、素直に生きること」が最も大切な徳目とされています。罪や罰というよりも、「穢れ(けがれ)を祓う」という意識が強いのが特徴です。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷申博


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「神道には教義がないって、本当なの?」
「八百万の神々の中で一番偉いのは、誰?」
「鳥はいないのに、なぜ鳥居というの?」
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