深いノンレム睡眠は、脳の休息時間
上質な睡眠を手に入れるには、正しい知識を学んだうえで、習慣化することが大切です。そもそも、人はなぜ眠るのでしょうか。
ラットを用いた断眠実験を行なうと、1週間をすぎたころには、毛が抜け、体温が下がり、やがて感染症を発症するなどして死んでしまいます。人間の場合、すぐに死ぬことはありませんが、十分な睡眠をとらないと、判断能力が低下し、体調も悪化してしまいます
睡眠は健康に生きるために欠かせないものです。とくに大きな仕事(役割)を、5つ担っています。
①脳をしっかり休ませ、体をメンテナンスする。
②自律神経やホルモンバランスを整える。
③記憶を整理して定着させる。
④免疫力を上げて抵抗力を高める。
⑤脳の老廃物を除去する。
①について、かつては「睡眠=単なる休息」と考えられてきました。しかし、脳活動が活発なレム睡眠があるとわかってからは、眠っているあいだずっと「完全な電源オフ」の状態になるのではなく、何かあればすぐに起動できる「アイドリングモード」があると考えられるようになりました。脳は、深いノンレム睡眠のときのみ休んでいるのです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』 監修:西野精治
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修:西野精治
「睡眠の質は、入眠から最初の90分で決まる」「感染症予防には睡眠が効く」 眠りが浅い、なかなか寝つけない、寝ても疲れがとれない──。
多くの人が気になる睡眠。最新の研究をもとに、睡眠のしくみを解明、スムースな入眠のメソッドから睡眠習慣のつくり方まで、イラスト・図版とともにズバリ解説します。睡眠不足や質の低い睡眠は、肥満や生活習慣病、がん、うつなどの発症リスクとなります。脳や自律神経、ホルモンバランスにかかわる眠りのメカニズムのほか、体温、光、寝具など、今晩から実践できる、さまざまな睡眠改善法を紹介。
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公開日:2021.06.15