睡眠は「量」だけでは解決せず、「質」のほうが大事
睡眠不足の蓄積が、がんや生活習慣病の発症リスクを高めること、仕事や生活のパフォーマンスを低下させることはさまざまな研究によって明らかです。
では、9時間、10時間と平均より多く寝ている場合はどうなのでしょうか。睡眠時間は、短さばかりが問題視されがちですが、じつは、長すぎても健康に支障をきたすという研究報告も出ています。
2002年、サンディエゴ大学のダニエル・F・クリプケ氏らが実施した100万人規模の調査では、アメリカ人の平均的な睡眠時間は睡眠は「量」だけでは解決せず、「質」のほうが大事7.5時間でした。
この6年後、同じ100万人を追跡調査したところ、病気で亡くなった人がもっとも少なかったのは、平均値の7.5時間睡眠の人たちでした。
短時間睡眠(3〜4時間)の人だけでなく、長時間睡眠(9〜10時間)の人も、死亡率がおよそ1.3倍も高かったのです。
長く寝すぎると、体内時計のリズムが乱れ、かえって疲れやすさや頭痛といった不調を引き起こしてしまうのです。
とくに一晩に9時間以上寝る人は、活動量の低下を招き、結果として肥満や脳卒中、心臓病などのリスクが高まることがわかっています。睡眠は長さよりも、質を高めていくことが大切です。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』 監修:西野精治
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修:西野精治
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公開日:2021.06.06