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4スタンス理論における水泳[クロール]での最適な腕の動かし方&息継ぎの仕方とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

水泳[クロール]競技別解説

走るリズムで水に乗り、水路を進む

クロールは、ひと言で言うと「水の中を走る競技」ですが、陸上の「走る」動作と違うのは、水抵抗を受けるということで す。そのため、いかに水を味方につけて、水抵抗を最小限に抑えるかがポイントになります。一般的には、クロールではバタ(キック)によって推進力を得ると思われがちですが、脚だけを速く動かそうとすると、むしろ水の抵抗が強くなります。そのため、水の抜けていく通り道を作る必要があります。具体的には、体幹(胴体)のうねりを使いながら、手で遠くの水をキャッチして引き入れることで水路を作り、キックによって水を押し出して推進するのです。

このとき重要なのは、素早く身体の左右の面と重心を入れ替え、体幹の動きをしっかりと使って「水に乗る」こと。これが、タイムを縮めるカギを握ります。また「水に乗る」ことができれば、自ずと息継ぎも安定し、楽な心肺リズムを保つことができます。

競技の起源

19世紀前半の水泳は平泳ぎと横泳ぎが主流だったが、腕を水面上に交互に抜き上げて泳ぐことでより速いスピードが出ることを知ったイギリスのトラジオン氏が「トラジオン泳法」を考案。その後、トラジオン泳法のあおり足がバタ足になり、クロールに発展した。バタ足の導入は画期的なことで、新しい競泳の時代を生み出すきっかけとなった。

腕の動かし方

【A】着水をイメージ
肩を起点に動かしていくAタイプは、早いタイミングで腕が前に伸び始めるため、水のかき始めを意識します。より遠くに腕を伸ばして伸び上がりながら「水をキャッチする」イメージです。

【B】離水をイメージ
肘をコントロールして動かすBタイプは、肘が曲がる程度のところからかき始めて、しっかりと「水をかき切る」動きを意識します。体幹が左右に入れ替わる頃から水を捉え始め、水をかき切りながら手を抜くイメージです。

【クロス】あごを引き気味にする
反対側の肩と腰が連動するクロスタイプは、 あごを引き気味に意識します。

息継ぎの仕方

【パラレル】顔を真横に向ける
同じ側の肩と腰が連動するパラレルタイプは、顔を真横に向けることを意識します。

1軸泳法と2軸泳法、どちらがいい?

日本では1970年代頃から、正中線を軸として自分の身体を交差するように水をかく1軸泳法が主流でしたが、2000年以降、右手は自分の右側のラインを、左手は左側のラインを通るというように、腕を交差させないで泳ぐ2軸泳法が注目されています。さて、この2つの泳法、どちらがいいのでしょうか?正解は「自分に合うほうを選べばいい」です。1軸泳法はクロスタイプ、2軸泳法はパラレルタイプに適していますから、タイプに合った泳法を選ぶことで、スムーズに泳ぐことができます。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!