昼食をとらなくても眠気を感じることがある
昼食後、しばらくすると体がだるくなって、眠くなるこの眠気は、アフタヌーンディップ(ポストランチディップ)と呼ばれます。
満腹になると消化器官への血流量が増え、脳への血流量は減るので、脳の働きが低下し、眠くなるという説を聞きます。しかし、脳への血流は常に最優先で確保されるため、この説は正しくありません。満腹感から気だるくなることはありますが、昼食をとらない日も眠気は襲ってきます。
つまり、午後の眠気は食事の影響ではなく、体内時計(生体リズム)の影響と考えるほうが自然です。体内時計のひとつである概日リズム(サーカディアンリズム)では、日中の活動時間のちょうど中央あたりの14〜16時に眠気が強くなると示されています。そもそもの体内時計のしくみとして、昼間に眠くなるのです。
では、アフタヌーンディップはどう撃退すればいいのでしょう。もっとも効果的な方法は、毎日の睡眠時間を少しでも増やすことです。
対症療法としては、ランチをよく噛んで食べたり、ガムを噛んだりすることです。噛むことには脳を覚醒させる働きがあり有効です。
コーヒーなど、カフェイン入りの飲みものをとるのもいいでしょう。対症療法が効かないほどの強烈な眠気には、仮眠もおすすめです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』 監修:西野精治
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修:西野精治
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公開日:2021.06.10