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メカニズムなど未解明な部分が多い謎多き雲「ジャンピング シーラス」の特徴とは?【雲の図鑑】

Text:岩槻秀明

巻雲がぴょんと跳ね上がるジャンピングシーラス

対流圏と成層圏の境界には、対流圏界面と呼ばれる壁のようなものが存在します。もくもくと勢いよく盛り上がってきた積乱雲も、これを突破することはできません。雲頂が圏界面に到達すると、そこで頭打ちとなり、てっぺんは圏界面に沿うように平らになります。

この平らになった積乱雲のてっぺんから、雲がぴょんと跳ね上がる現象が知られています。これがジャンピングシーラス(jumping cirrus)です。

ジャンピングシーラスは氷の結晶からなり、オーバーシュート(P186)の近くで、約1~2kmほど跳ね上がります。雲は成層圏内に突入しており、対流圏から成層圏へと、水蒸気を運んでいるかもしれないと推測されています。しかし、ジャンピングシーラスの観測は難しく、メカニズムなど未解明な部分も多い謎多き存在です。今後の研究が待たれます。

出典:『雲の図鑑』著/岩槻秀明

【書誌情報】
『雲の図鑑』
岩槻秀明 著

季節ごとに見られる雲や、気象予報の役に立つ雲など、雲の外観から判別できる雲図鑑に加え光の作用によって見られるレアな雲や、雲ができる過程など科学的なメカニズムまで解説。ポケットに入れていつでも楽しめる雲図鑑なので自粛の際でも公園や河原で子供と遊ぶ時や、外に出られなくても楽しめる

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