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竜巻や豪雨など、さまざまな気象災害の元凶となる雲とはどんな雲?【雲の図鑑】

Text:岩槻秀明

十種雲形中、唯一、発雷能力をもつ巨大な雲

いわゆる雷雲で、背の高さは10,000mにも及びます。一方で、雲の幅は数キロ~十数キロメートル程度と狭いため、ピンポイントで激しい雷雨をもたらします。遠くの空にあり、地平線からそびえ立つものは入道雲と呼ばれています。

積雲が成長して積乱雲ができる

積乱雲は、積雲の雄大雲(P156)がさらに発達して、雷を伴うようになったものです。雲の下は激しい雷雨となっており、竜巻などの突風やひょうなど、破壊力の強い現象を引き起こすこともあります。

ひとつの積乱雲の寿命は短く、積雲が発生してから、積乱雲になって消滅するまでの時間は約1時間です。

さまざまな気象災害の元凶となる雲

毎年多くの爪痕を残す台風は、積乱雲が集まって激しい渦巻となったものです。豪雨の原因となる線状降水帯は、次々と発生した積乱雲が、列をなしたものです。

アメリカなどで見られる破壊力の強い竜巻「トルネード」は、特殊な条件下で形成された巨大な積乱雲(スーパーセル)によってもたらされます。

出典:『雲の図鑑』著/岩槻秀明

【書誌情報】
『雲の図鑑』
岩槻秀明 著

季節ごとに見られる雲や、気象予報の役に立つ雲など、雲の外観から判別できる雲図鑑に加え光の作用によって見られるレアな雲や、雲ができる過程など科学的なメカニズムまで解説。ポケットに入れていつでも楽しめる雲図鑑なので自粛の際でも公園や河原で子供と遊ぶ時や、外に出られなくても楽しめる

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