あそび01:ボールにタッチ
こんな子におすすめ!
- なかなか寝返りしない
あそびかた
ゆっくりとボールを見せる:「足でさわれるかな」
手でもとうとしたり、足で触ろうとしたりするまでゆっくり待つ:「おててでタッチできるかな」
仰向けで寝転んでいる状態の子どもにゆっくりとボールを見せ、子どもが自分の手足をもちあげて、そのままゴロンと横向きになる遊びです。床と接するのは背中だけになるので、ゆらゆらと前庭覚の刺激が入ってきて、遊んでいるうちにコロンと横向きになりやすくなります。ボールはビーチボールの空気を少し抜いたものがおすすめです。
効果とねらい
- 重力に逆らって手足をもちあげることで体感がしっかりと働く
- 手足をもちあげるとコロンと転がりやすくなる
- ゆっくりとボールを見せることで、ものへの興味・関心を引き出す
注意点
- 子どもが目で追いやすいように、ボールはゆっくり見せる
- 子どもの手足が伸びてきたら、ボールをつかませてあげる
- 安心できるとうに顔を見ながら声をかける
あそぶときのアドバイス
ボールは子どもが手足で挟めるぐらいの大きさがおすすめです。また子どもがもちやすいので、ビーチボールなど少し空気を抜いたものを使うのもよいでしょう。なかなか手足があがってこない場合は、視覚刺激だけではなく、ビーチボールの中に鈴を入れて聴覚刺激も用いてゆっくり振ってみましょう。子どもがしっかりボールをつかめたら、渡してあげます。ボールをもてたら、左右のどちらかに大人がボールをゆっくり動かして、コロンと横を向かせてあげましょう。
遊びをアレンジ
いろいろなボールをタッチ
- ツルツルしたボール
- 凸凹のあるボール
- 布のボール
- 鈴が入ったボール など
いろいろな素材に変えることで、触覚の違い、聴覚刺激などを楽しむことができます。
タッチでコロン
寝ている子どもの上から大人が手を差し伸べて、タッチをしてもらいます。軽く手をとってゆらゆらさせた後、コロンと横に向かせます。
ここからやってみよう!
子どもに腕や足を上にもちあげさせて、重力に逆らうような姿勢 ( 抗重力姿勢 ) を促します。いろいろなボールを使って、能動的な動きを引き出してみましょう。体をゆらゆらさせて関節や筋肉の使い方を学びます。ものの操作がむずかしい場合は、大人が直接手をとって、動きを促しても OK。
【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美
【書誌情報】
『発達が気になる子の感覚統合遊び』
著:藤原里美
子どもの困った行動には意味があり、感覚統合の視点から理解すると、これらは感覚情報の処理がうまくいかない結果であることがわかります。感覚統合は「発達凸凹」の子どもたちの支援に重要で、「遊び」を通じて子どもの能力を引き出す方法が強調されています。「発達が気になる子の感覚統合遊び」では、理論編と実践的な遊び編で構成されており、100以上の遊びを紹介しています。遊びを通じて子どもの情動を安定させ、成長を促すことを目的としており、子どもの理解と支援を促し、幸せな未来を共に築くために読んでおきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.08.15