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感情表現 物語にうねりを起こす⑭自己嫌悪【プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑】

Text:秀島迅

NO.14 自己嫌悪【じこけんお】[英:Self-loathing]

【意味】

自分自身のことが嫌になる、うとましく思う状態。

【類語】

自己否定 自己憐憫 自己卑下 慚愧 憎しみ 恥じらい 情けなさ 不甲斐なさなど

体(フィジカル)の反応

  • 俯きがち
  • ため息をつく
  • とぼとぼと力なく歩く
  • 顔を手で覆う
  • 頭を抱える
  • 涙が出る
  • 目に気力がなくなる
  • やつれた表情
  • 疲れが溜まって取れない
  • 息苦しくなる
  • おどおどした態度
  • 喉が詰まる感じがある
  • 縮こまって座る
  • 塞ぎこんでしまう
  • 猫背になる
  • 元気がなく、うなだれる

心(メンタル)の反応

  • 自分に飽き飽きする
  • すっきりしない
  • 悲観的になる
  • 気分が沈んで晴れない
  • 後悔する
  • 嫌なことがあると、しばらく引きずりがち
  • 鬱屈した考えに囚われる
  • 自分に非があるという考えに行き着く
  • どんよりと曇ったような気持ち
  • 負い目を感じる
  • 自己肯定感が低い状態
  • 何かするときに、緊張してしまう
  • 気が弱く臆病になる
  • すべてに自信が持てない

主人公の行動原理を納得させる好材料にもなる「自己嫌悪」

内向的思考に主人公を立ち返らせることは、物語に静的な深みと余韻をもたらします。

たとえば、「自己嫌悪」させると、主人公という人となりを読者にありありと伝えられます。

基本的に「自己嫌悪」とは、過去や現在の自分自身を分析したうえで、不甲斐なさや負い目や恥じらいを感じるもの。つまり、なぜ自身を嫌悪してしまうのか、その理由を明確に晒すわけなので、読者は一歩踏みこんだ人間性を窺い知ることができます。

物語としては前に進まず、どちらかといえば展開がストップする流れになるものの、その後の主人公の行動原理を納得させる好材料にもなるので、綿密に計算して主人公に「自己嫌悪」させましょう。

ただし注意するポイントがあります。物語中、主人公の「自己嫌悪」は一度にとどめてください。何度も何度もくよくよ「自己嫌悪」を繰り返す主人公だと、読者が辟易してしまいます。

主人公が「自己嫌悪」を繰り返せば物語の世界観が真っ暗になる

感情表現 物語にうねりを起こ⑭自己嫌悪【プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑】【出典】『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』著:秀島迅

【書誌情報】
『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』
著:秀島迅


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