病気ではなく、刺激や空気が入ってできたもの
手の爪はよく使う指ほど速く伸びる
爪は、皮膚(表皮)の角質(かくしつ)がかたくなってできたもので、指先や皮膚を保護することや、小さな物をつかみやすくするなど、細かい作業を可能にする役割を持っています。爪は「爪母(そうぼ)」とよばれる部分でつくられ、新しくできた部分が押し出されるようにして伸びていきます。伸びる速さは指によって違い、人差し指、中指、薬指の爪が、親指や小指よりも速く伸びるといわれています。伸びる速度は、成人の手の爪で1日に平均0.1ミリメートル前後。夜よりも昼、冬よりも夏のほうが伸びる速度が速く、足の爪は手の爪よりも伸びる速度が遅いといわれています。
爪も皮膚の仲間、異常を生じることも
爪も皮膚の一部なので、ときどき異常が起こることがあります。また、爪の形には老化や体の状態が表れます。たとえば、ギザギザと縦線が入ったような模様が見えたら、それは老化のサイン。年をとると、爪母のなかでも爪の細胞をつくる速さが場所ごとに異なってくるため、このような縦線が表れるのです。爪に白い点が出ても、病気ではないので心配はいりません。これは爪がつくられるときに何らかの刺激を受けたり、爪のなかに空気が入ったりすることでできたもの。爪が伸びるにつれ上に移動し、なくなります。爪に横線が入るのは不規則な生活やストレスが原因です。また、爪が盛り上がる「ばち指」は肺や心臓、肝臓などの病気が原因で起こります。
爪の構造と各部の特徴
爪母
爪の根元と接している部分の皮膚。ここで爪の細胞がつくられる。
爪甲
爪の露出している部分。爪自体は透明だが、ピンク色に見える。それは、爪甲の下にある皮膚の血管が透けて見えるため。
甘皮
つくられたばかりの爪を守っている。
爪半月
爪のできたばかりの部分。水分を多く含んでいるため、白く見える。
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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?
空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む
いくつもの器官を通って脳に辿り着く
耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因
年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。
音波が聴覚に変わるしくみ
①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる
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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄
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公開日:2023.09.08