急性腰痛と慢性腰痛の見分け方
●ぎっくり腰などはヶ月あれば治る
腰痛には主に『急性腰痛』と『慢性腰痛』の種類があります。明確な定義はありませんが、主に発症から4週間以内のものを急性腰痛、それ以上続いているケースを慢性腰痛とするケースが多いようです。いわゆる『ぎっくり腰』など、何かの拍子で非常に痛みが強く出るものは急性腰痛として診断されます。通常1ヶ月ほど度で完治してしまうものが多く、再発の可能性はあるものの、短期間でかなり改善します。
一方、慢性腰痛に関しては明確な原因がわからないものが多く、痛みが続く期間もさまざまで、1年以上続くケースもあります。こうした違いがあるため、心因性腰痛に関しては慢性腰痛として長引くケースが多いのです。どちらにも言えることですが、ぎっくり腰などの場合はそのトリガーとなった状況を思いだすことで、普段の生活で腰を庇いすぎている場合があります。運動不足やコルセットなどにより血流が悪くなってしまったり、心因性腰痛の場合も「動かすと悪化する」といった記憶が運動を制限してしまったりします。
いずれにしても、適度な運動やストレッチで腰の血流を良くすることは腰痛の改善に繋がります。痛みが強くならないほど度に体を動かしてあげることは大切です。
急性腰痛のぎっくり腰とはそもそも何?
ぎっくり腰とは腰椎捻挫の総称です。前屈みになったり、重い物を持ったり、骨格の歪みから発症します。痛みが発生した瞬間は動けないほどの激痛に。大体1週間程度で痛みが緩和。発生から1ヶ月ほど度で完治する場合が多いです。
ぎっくり腰が再発する理由
ぎっくり腰は人によっては再発しやすい病気。完治まで安静にせず、痛みが引いた段階で運動しすぎてしまったり、骨格が歪んだままで放置したりすることが原因です。ただ、全く動かないでいるのも血行不良や自律神経の不調を引き起こします。完治後は、適度な運動を心がけましょう。
【出典】『原因不明の腰痛は自律神経が9割』
著:小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)など、著書も多数。
病院で検査してもわからない……。原因不明の腰痛を“自律神経”から改善する一冊。国内でおよそ3000万人が悩んでいるとも言われている『腰痛』。
腰痛の原因はぎっくり腰やヘルニアなど様々ですが、実はその80%以上が原因不明と言われています。コロナ禍でカラダを動かすことが少なくなったため、「座りっぱなしだったから」「運動不足だから」と腰痛の原因を運動不足や筋肉疲労によるものだと思い込み、原因を突き止めようと病院を受診しても、結果は『異常なし』。よくわからないまま筋弛緩剤や炎症を抑える薬だけ飲むも、なかなかよくならない、という人が多くいます。また、腰痛は気になるがゆえにインターネットで検索すると、ガンや膵炎などの症状と一致することもあり、長く続くと不安に煽られて毎日楽しく生活することができなくなってしまうことも。そんな長引く謎の腰痛ですが、それはストレスと自律神経の乱れから来る現代病『心因性腰痛』かもしれません。本書では、そんな原因不明の腰痛を持つ人に向けて、自律神経の名医が腰痛の原因になっている自律神経を整えて痛みを取る『心因性腰痛』の改善法を紹介します。リラックスするための入浴法から腸がよみがえる食事法、心を軽くするために必要な考え方、生活習慣など、誰でもすぐに実践できる心因性腰痛の改善法を掲載します。しつこい痛みで、マッサージ・整体・針など、どんなに骨や筋肉への治療を試しても良くならない腰痛をお持ちの方にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2022.03.17