国際プロジェクトで各国が協力して探査
アポロ計画終了後、月や惑星への有人飛行は中断されていました。しかし、近年、月探査がまた世界的に加熱しています。その発端はアメリカが2004年に発表し、国際宇宙ステーションの輸送や月着陸などを計画していた有人月探査計画「コンステレーション計画」でした。しかし予算の問題もあり、この計画は頓挫しました。
ところが、2014年に「アルテミス計画」と名を変え再開されました。この計画では、2025年に初の女性宇宙飛行士による月面着陸。その後は、月に物資を運び、多国間で月周回軌道上に有人の宇宙ステーションである「ゲートウェイ」という拠点を築き、ここを拠点にした月の地質や環境の調査、月での人間の長期的居住の研究などを目指していました。
月面探査だけでなく、2030年代に火星有人着陸を目標に掲げ、月を中継地点に火星やほかの惑星探査などの宇宙開発を進めていく計画です。
はじめはアメリカ単独のプロジェクトでしたが、アメリカ航空宇宙局(NASA)とNASAが契約する米国の民間宇宙飛行会社、欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)、オーストラリア宇宙庁(ASA)、ロシア、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが参加を表明していて、現在は国際宇宙開発プロジェクトとして進められています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』 著:渡部潤一
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一
「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの?」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「宇宙はどんな構造?いくつもあるの?」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2024.02.18