脳の幸せホルモンが判断力を鈍らせた
出会った瞬間に一目惚れ……というのは、何やら運命的なものを感じて相手への思いも一気に燃え上がるものですが、実はこの一目惚れ、脳の勘違いによるものといわれています。
人には誰にも好みの条件があるものですが、自分の好みにひとつでもあてはまる異性を見ると、脳が「この人は理想の人だ」と勘違いし、とくに好みではないほかの部分には目をつぶってしまうそうです。
こうした一目惚れは、女性より男性に多いといわれます。女性は現実的な人が多く、相手の内面や価値観などを見極めてから相手を好きになることが多いのに対し、男性のほうが外見重視の傾向にあるためだといわれています。
恋をするとドキドキすることがありますが、これは脳内にPEA(フェニルエチルアミン)という神経伝達物質が分泌されるためです。
PEAは、脳の一部を麻痺させて判断力を鈍にぶらせるといわれるホルモンです。しかも、PEAの作用によって脳内には〝幸せホルモン〟のドーパミンが大量に分泌されるため、その効果も加わってさらに高揚感が高まります。
このPEAは瞬時に脳内に広がり多幸感で満たされ、脳が恋だと認識し、一目惚れだと勘違いするのです。しかし、PEAやドーパミンはずーっと分泌されるわけではありません。
PEAの寿命は短ければ3ヵ月、長くても3年程度といわれています。PEAの効力が薄れて冷静に相手を見つめるようになり、関係が冷えてしまったことがある方もいるでしょう。
また、恋愛感情とは別に、好き嫌いの感情も脳が判断しています。好き嫌いの基準は人によって違いますが、脳の扁桃体などの働きによるものとされています。
出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志
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公開日:2021.10.06