世界には不公平な貿易に苦しむ開発途上国がある
ある国の政府が異例の値上げ申し入れをするなど、最近話題のチョコレートやバナナなどは、スーパーや100円ショップでとても安く買うことができますよね。ですが、なぜこんなに安いのかを考えたことはありますか?
チョコレートの原料となるカカオ豆は、ほとんどが開発途上国のカカオ農園で作られています。ガーナには約80万人が小規模のカカオ農園を営んでいますが、農家の1日当たりの収入は50円ほどといわれています。
開発途上国で「児童労働」が行われる理由は、多くが貧しさによるものだといわれています。先進国が商品を安く売るために、生産者は労力に見合わない対価しか受け取れず、貧困から抜け出せずにいるのです。
日本でも広がる「フェアトレード」の取り組み
現状を変えようと、先進国では「フェアトレード」の取り組みが広がっています。フェアトレードとは公平・公正な貿易という意味で、開発途上国の原料や製品を労力に見合った価格で購入し、生産者や労働者を守ることが目的です。
日本でもこの取り組みが広がりつつあり、市民団体、行政、企業などが一体となってフェアトレードを応援する「フェアトレードタウン」に、2019年時点で熊本市、名古屋市など6都市が認定されています。
国際フェアトレード認証ラベルとは
原料の生産、輸出・輸入、加工、製造を経て完成するまでの過程で、国際フェアトレードラベル機構が定めた基準を満たしていることを証明するラベルです。現在、日本を含む世界の30ヵ国以上でラベル推進組織がつくられ、認証ラベルの普及活動を行っています。
フェアトレードは児童労働をなくすだけではなく、地球環境や労働者の健康を守ることにもつながります。私たちもできることから取り組みに参加しなければいけません。
「親子で学ぶSDGs」はこんな方にオススメ!
・日本や世界で起こっていることに興味がある
・SDGs達成に向けた実際の取り組みが知りたい!
・自分自身が未来のためにできることはなにがあるのか?
・フェアトレードってどんな取り組みのこと?
そう感じている方にはぜひ本書『親子で学ぶSDGs』を手に取っていただけたらと思います。
出典:『親子で学ぶSDGs』著/笹谷秀光
【書誌情報】
『親子で学ぶSDGs』
笹谷 秀光 著
今、大注目の大切な話「SDGs」について、わかりやすいテキストとイラストで解説しながら各項目を【3つのキーワード】にまとめました。「エスディージーズってなに?」という基本から、日本と世界の「ヤバイ問題・スゴイ取り組み」まで一気にわかります。
公開日:2022.08.09