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オオクニヌシは神様の王なの?神話にたくさんでてくるオオクニヌシの称号とは【図解 神道】

Text:渋谷申博

出雲の神話においては神々の王

八百万の神々の中で一番偉いのはアマテラスだと19項で述べていたのに、オオクニヌシは神々の王とは、どういうことだ、と思われたかもしれません。アマテラスを最高神とするのは「古事記」「日本書紀」で語られる神話です。オオクニヌシを神々の王とする話は「出雲国風土記」などで語られる出雲の神話でのことです。

その「出雲国風土記」ではオオクニヌシのことを「天下所造しし大神」と呼んでいます。「天下を創造した大いなる神様」と理解したくなる表現ですが、天地を造り出したわけではなく、「大地を開拓した」という意味に解すべきです。というのも、「出雲国風土記」には、新羅や隠岐から土地を引き寄せて出雲の“国土”をつくったヤツカミズオミツヌ(八束水臣津野命)という神様が登場するからです。

オオクニヌシが活躍するのは、ヤツカミズオミツヌが国引きをした後なので、オオクニヌシは出雲の創造には関わっていないのです。オオクニヌシは、迫害を加えた兄神たち(八十神)を破って神々の王となり、大地を神々や人々が住める場所として開拓しました。ただし、オオクニヌシが支配していたのは地上の神々で、天上の神々には及んでいません。

実は「日本書記」にも、「オオナムチ(オオクニヌシのこと)とスクナビコナは力を合わせ心を1つにして天下を開発した。人間と家畜の病を治す方法も定めた。また、鳥獣や虫の害を避ける術も考案した。こうしたことから人々は今に至るまでその恩を被っている」と、開拓神として信仰されていたことが記されています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』監/渋谷申博

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷 申博

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