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石油の時代が終わるってホント?【地政学の話】

石油資源枯渇の不安を払拭

100年前のアメリカでは石炭がエネルギー消費量の80%を占めていましたが、自動車の動力源として石油が台頭して以後、長年世界のエネルギー市場を担ってきたのは石油です。

しかし、地下2000メートルよりも深く存在するシェール層と呼ばれる泥が固まった岩石の中で薄片状にはがれやすい岩石「頁けつ岩がん」から石油(シェールオイル)や天然ガス(シェールガス)が発掘されるとわかり、アメリカが開発を進め、2006年以降生産が本格化していきます。これは世界のエネルギー事情に革命を起こしました。

石油資源は枯こ渇かつすると懸念されていましたが、シェール層からは膨大な資源量が確保できるという見方がなされています。

実際に、シェールガスの生産が本格化することで、アメリカの天然ガス輸入量は減少し、国内価格も低下していったのです。

シェール革命が世界のパワーバランスを変えた

シェールガス革命によって世界の石油勢力図は大きく変わりました。なかでも打撃を受けたのがロシアです。

ロシアは天然ガスや原油などのエネルギーの輸出によって経済を支えてきました。ところが、ウクライナとガス価格の問題で対立、ヨーロッパへのガスのパイプラインがストップしている間にシェールガス革命が起こり、ロシアはエネルギー輸出の主役の座から転落します。

以降、世界のエネルギーパワーバランスが大きく変わっていったのです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
著:荒巻 豊志

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「地政学」について分かりやすく解説した一冊。「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!

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