2021ドラフト12球団はこの選手を指名しろ!千葉ロッテマリーンズ編
2年連続のリーグ2位から、今季はAクラス争いでも後れを取るなど、やや足踏み気味のロッテ。とはいえ、チームには若く、将来有望な選手が豊富。毎年のようにドラフトで指名した選手が1軍で躍動し、明るい将来も透けて見える。その路線は、今年もぜひ継続してほしい。
高卒の逸材がズラリ!チームの将来は明るい!?
過去5年のドラフトのうち4度、高卒選手を1位指名で獲得しているが、その顔ぶれが凄い。2017年・安田尚憲、2018年・藤原恭大、2019年・佐々木朗希、2021年・松川虎生と、4人すべてが1軍でプレー。安田と藤原にはもう少し頑張ってほしい……というのがファンの正直な思いだろうが、年齢的にもまだまだ焦る時期ではない。「高卒選手の育成」に自信を持てたことで、指名戦略にも間違いなく幅が出てくるはずだ。
田中幹也/亜細亜大・内野手
●おすすめ指名順位は1位指名!
黄金時代へ最後のピース!遊撃手候補に忍者獲得を
22歳前後にこれほど大看板候補がいる球団は、他にないだろう。投手なら佐々木朗希や種市篤暉、捕手は松川虎生や佐藤都志也、左右の中軸は安田尚憲に山口航輝、リードオフマンタイプなら高部瑛斗に藤原恭大。黄金時代の足音が聞こえてくるようだ。唯一残った課題は次世代の遊撃手候補である。
そこでドラフト1位でアタックしたいのは、“令和の忍者”田中幹也(亜細亜大)だ。166センチ、64キロの小兵だが、1位指名する価値は十分にある。走塁も守備も、一歩目のスピードが異次元クラス。身のこなしだけで入場料を払った価値があると思わせる、稀有な存在だ。コンパクトな打撃は、状況に応じて幅広く仕事ができる。プロではつなぎ役としての働きが期待できるはずだ。なお、昨年発症して心配された難病・潰瘍性大腸炎は、精密検査の結果、完治と診断されているため問題なし。東海大菅生、亜細亜大とアマチュア屈指の厳しい環境で揉まれてきたたくましさも、プロで生き抜くための武器になるだろう。
核となる選手さえ確保できれば、ゆとりをもって素材型や一芸型に舵を切れる。素材型の右投手なら茨木秀俊(帝京長岡)、日高暖己(富島)、漢人友也(中京大)。左投手なら吉川悠斗(浦和麗明)。素材型の野手なら千葉出身でもある、海老根優大(大阪桐蔭)がオススメだ。
最後に一つ、思い切った提案をしたい。大卒4年目の福永裕基(日本新薬)の獲得である。今年のように外国人選手が不発だと一気に得点力がダウンする課題の解消と、開花の兆しを見せる安田を安穏とさせない狙いがある。福永はアマ球界に置いておくにはもったいない高い打撃力と、重圧のかかる社会人を戦ってきた経験がある。二塁と三塁を守れて、DHや代打でも起用できる。高卒の野手中心のチームにあって、貴重な存在になる予感がする。
こんな指名はNGだ!
以前までのロッテは「補強」というより「補充」に近いドラフトを展開していたが、今や12球団有数の育成路線の球団に転身した。Bクラスに転落しても、この路線は維持したい。ただし、「社会人の即戦力を獲るな」という意味ではなく、チームバランスに応じて刺激剤を投入すべきだ。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
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公開日:2022.10.10