2018年に帰国して以来、それまで私の中で貯めてきた「女子サッカーを文化にする」ためのアイディアをどうやって実戦していくのか。
いま振り返れば、ひたすらにそれを追い続けてきた5年間でした。
この5年間の中で、競技生活と地域貢献活動に専念できるようにと、自分でスポンサーを引っ張ってきたまではよかったものの、思うように動けず、もつれにもつれた結果、ピッチパフォーマンスに影響してしまった年もありました。
人間関係も含め、若かったなと感じるような振る舞いもたくさんしてしまったし、しれっと闇に葬り去りたいような失敗もたくさん重ねてきた中で、それでも挑戦してきてよかったと、最近ようやく思えるようになってきました。
客観的にみて、現役アスリートであることを前提として考えたとき、私はいろいろと手を出しすぎでしたし、それが迷いとしてアスリートであることの輝きを損なわせることにも繋がっていたと思います。
そのことを自分でも多少は理解しつつ、それでも競技活動に全力で舵を取ることができなかったのは、やはり女子サッカーと地域を結ぶ基盤ができていないことが引っかかっていたのだと思います。
これでもかというくらいの紆余曲折を経て、「世田谷をもっと楽しく」という新たなクラブMVVを掲げてスタートした今シーズンは、私が描いてきた理想に今までで一番近づけた一年でした。
すると、とても不思議なことですが、今までは何も響かなかった言葉が突然胸に刺さり、シーズン途中、急にアスリートモードにスイッチが入り、シーズン終盤に差し掛かる頃にはピッチパフォーマンスとそれ以外で非常に良いバランスがとれていたように感じています。
今年も残りわずかとなりましたが、今まで撒いてきた種が開花しそうな打ち合わせが年明け早々に予定されていたりと、2023年はより充実したものになっていきそうな予感がしています。
ここにくるまでの過程で本当にたくさんの方々を巻き込んできた私は、少なくとも自分を納得させるだけのビジョンを実現させる責任があります。
そういう「楽しみの中のちょっとした怖さ」を大切に、来年は時速300キロくらいで突き進もうと思います。