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年齢を重ねるとシワが増えるのは、どうして?【解剖学の話】

Text:坂井建雄

全身の皮膚を合わせると、たたみ1畳分に!

「皮膚」はヒトの体のなかで最大の組織で、成人の全身の皮膚を広げるとたたみ1畳分(1.6~1.8 平方メートル)になるといわれています。

皮膚は 表皮(ひょうひ)、真皮(しんぴ)の2層からなっていて、これらを合わせた厚さは1~4ミリメートル。その下にやわらかな皮下組織(ひかそしき)があります。それぞれの層の厚さは体の場所によって異なります。また、皮膚には圧力や温度など外部からの刺激を感知する神経のしくみも備わっています。

皮膚を支えていた編み目が崩れる

皮膚がピンと張っている理由は、皮膚に細い糸のような物質「コラーゲン線維(せんい)」と「弾性(だんせい)線維」があり、この2つが網目(あみめ)状にからみあって皮膚を支えていることにあります。

コラーゲン線維は皮膚が伸びすぎないよう張りを保つ役割を、弾性線維は皮膚を伸び縮みさせるゴムのような役割を持つ物質です。

しかし、年をとると、コラーゲン線維も弾性線維も減っていきます。シワができるのはこれらの物質のはたらきが弱まった結果、皮膚を支えていた網目が崩れ、伸びた皮膚が元に戻る力を失って、たるみ始めるためです。

また、日光に含まれる紫外線も、シワを増やす原因になります。紫外線は皮膚の深いところにある真皮層まで届き、コラーゲン線維を小さく切断して、弾性線維を変質させてしまうのです。

加齢によってシワが増えるのは仕方のないことですが、紫外線対策をしっかり行なえば、進行を遅らせることにひと役買ってくれます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井建雄 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
順天堂大学保健医療学部特任教授、日本医史学会理事長。1953 年、大阪府生まれ。1978 年、東京大学医学部卒業後、ドイツのハイデルベルグ大学に留学。帰国後、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を歴任。医学博士。専門は解剖学、細胞生物学、医学史。専門書だけでなく一般向け書籍まで、著書、監修書を多数刊行。近著書は、『医学全史』(ちくま新書)、『図説医学の歴史』(医学書院)など。

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