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肉を食べないとうつになりやすい?

Text:加藤雅俊

質のいいたんぱく質とは?

たんぱく質には、動物性と植物性があります。肉や魚だけでなく、納豆や油揚げなどの大豆食品や、アーモンドなどのナッツ類、ごまにも、たんぱく質は含まれています。肉でたんぱく質を摂ろうとすると、必然的に脂質も多く摂ることになるため、「できれば大豆からたんぱく質を摂りたい」と思う人もいるでしょう。動物性も植物性もバランスよく摂るのはいいことなのですが、肥満を解決したいなら、本当の意味で「質のいいたんぱく質」を選んでください。

たんぱく質の「質」とは、何によって決まると思いますか? それは、摂取したたんぱく質が、人間のたんぱく質合成にどれくらい使われるか、ということで決まります。少し専門的に言うと、①摂取したたんぱく質の、体内での利用効率(生物学的評価法)②食品に含まれるたんぱく質の、必須アミノ酸のバランス(化学的評価法) という観点から、たんぱく質の「質」 を評価します。一般的には、②の化学的評価法の1つ、「アミノ酸スコア」が用いられています。

必須アミノ酸とは、体内でつくられないので、食事から摂らなければいけないアミノ酸のことです。全部で9種類あり、これらがバランスよく含まれていると、良質なたんぱく質とされます。アミノ酸スコアの最大値は100。スコアが低い食品の場合は、スコアが高い食品と組み合わせるといいでしょう。動物性たんぱく質は、全般的にアミノ酸スコアが高いです。体をつくる材料として、それだけ優秀である、ということです。せっかくたんぱく質を摂るのなら、効率よく使えるほうがいいと思いませんか? それには、動物性たんぱく質がおすすめなのです。とくに、卵・牛乳・豚肉は、すべてのアミノ酸が一度に摂れるので毎日の食事にぜひ、取り入れてください。

肉を食べないとうつになりやすい?

ここで、「動物性たんぱく質をあまり食べない」と言う人に伝えたいことがあります。「最近、怒りっぽくなってきた」「イライラが止まらない」など、感情を抑えられないときはありませんか。それは軽うつのサインです。感情の安定には、脳内ホルモンの1つ、セロトニンという物質が関わっています。肉を食べない人は、このセロトニンが不足しがちなのです。セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸とビタミンB6を一緒に摂ることで、脳内で生成されます。この2つを両方含んでいるのは、赤身の肉や赤身の魚です。トリプトファンは大豆にも含まれていますが、大豆にはビタミンB6が入っていません。ですので、とりわけ肉や魚を食べてほしいのです。いつもイライラしている人やすぐ怒る人たちは、セロトニンが不足しています。「太るから」といって野菜ばかり食べているあなたも、そうなる可能性があります。思い当たるフシがないか、思い返してみてください。そしてこれからは、肉をどんどん食べましょう。肥満もうつ状態も解消されて、心身が元気になるはずです。

【書誌情報】
『肥満がいやなら 肺を鍛えなさい』
著:加藤雅俊 (薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家)

肺の主な役割は「呼吸」と「血液循環」。酸素を含んだ血液を体内に循環させているが、十分に機能しないと不調を招く。 本書では、肺を鍛える方法として「肺ストレッチ」を提案。肺と血液の関係を説明しながら、その方法を紹介する。