α(アルファ)世代は「チャレンジ精神」と「超・デジタル」に注目！子どもたちの憧れの人は、大谷翔平選手が最多得票！
第一生命保険株式会社（代表取締役社長：隅野 俊亮、以下「当社」）が、全国の小学生・中学生・高校生 計3,000人を対象に行った、第36回「大人になったらなりたいもの」アンケートの調査結果をお知らせします。
調査結果（ハイライト）
◆第36回「大人になったらなりたいもの」アンケート
◆【特別企画】お父さん・お母さんの「子どもの頃、大人になったらなりたかったもの」は？
■第36回「大人になったらなりたいもの」アンケート調査結果（詳細）
Q1.あなたが大人になったらなりたい職業について教えてください。
■小学生の部
小学生男子のランキングでは、「サッカー選手」人気を逆転し「野球選手」が3位(9.5%)にランクインしました！1989年の調査開始以降、男の子のランキングでは「野球選手」「サッカー選手」「学者・博士」が長きにわたりトップ３を争っていました[1]が、2020年にインターネット調査へ移行してから「野球選手」がベスト３に入ったのは今回が初めてです。今回の調査で子どもたちに「憧れの人」を聞いたところ、第１位だった大谷翔平選手をはじめプロ野球選手は最も多い35名の名前が挙がりました。応援する球団の選手をはじめ、メジャーリーグでの活躍が日々報じられる環境もあってか再び野球人気が高まっていることがうかがえます。
また、「運転士/ドライバー」も８位(3.6%)にランクイン。鉄道の運転士や、トラック・タクシーのドライバーなど、好きな「乗り物」の仕事をしたい！と考える人が多いようです。地域鉄道や路線バスでは運転士不足が課題となっていますが、リニア新幹線の地上からの運行制御や、完全自動運転のタクシーなど、人員不足の課題解決にも繋がる自動運転の研究も進んでいます。システム開発やデータ分析など、DXと切り離せなくなっていく未来の交通・物流業界で「超・デジタル」世代の彼らがどのように活躍してくれるのか、楽しみな結果となりました。
小学生女子のランキングでは、「歌手/アイドル」が５位(4.9%)と昨年の10位からランクアップして人気上昇中です。「憧れの人」でも男女問わずSnow ManやNiziUといったアイドルや、Ado、Mrs.GREEN APPLEなど歌手・アーティストの名前も多数挙がり、プロスポーツ選手、家族に次いで多い結果となりました。『推しの子』のキャラクターを挙げる人もおり、作品の影響力の大きさや、「推し活」が当たり前になっていることを実感します。
[1] 過去の調査結果については、2020年４月30日のニュースリリース末尾に掲載しています。
URL：https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_010.pdf
■中学生の部
中学生男子のランキングでは「Youtuber/動画投稿者」「ゲームクリエイター」「ITエンジニア/プログラマー」とデジタルネイティブな世代らしいIT関連の職業が上位に入りました。2020年4月にプログラミングの授業が必修になりましたが、最近では人気のものづくりゲーム「Minecraft（マインクラフト）」の教育版を授業に取り入れる学校もあるそうです。ブロックを組み合わせてオリジナルの世界を構築したり、素材を集めて建物や家具を作ったり創意工夫して楽しみながら学ぶことができるゲームで、7位(3.4%)に「建築士」が初めてランクインしたのはそのような背景も影響しているかもしれません。
中学生女子では「漫画家／イラストレーター」が3年連続で2位(9.4%)に入りました。今回、憧れの人について聞いた質問でも、漫画家だけでなくイラストレーターの方の名前が挙がり、その仕事内容もYoutubeに投稿される楽曲にイラストをつけたり、Xへ作品を投稿する等、活動の幅が広がっていることが人気の背景にありそうです。また、「薬剤師」「看護師」と医療関係の職業が前回に引き続き上位にランクインしているのも特徴です。
■高校生の部
初めて、高校生男子のランキングで「社長／起業家」が6位(3.5%)にランクインしました！第一生命経済研究所・西野研究員のコメントにもある「アントレプレナーシップ教育[2]」は、人生100年時代において、自分らしいキャリアを構築していくために「社会の課題を見つけ、解決する力」や「夢中になれることを仕事にする力」を習得することを目的としています。「Q2.あなたが＜Q1.で選んだ職業＞になりたい理由を教えてください。」の問いでも、全体で「好きだから」が最も多い結果となりました。高校生では「収入が良さそうだから」「働きやすそうだから」の割合が増えますが、若い起業家がYoutube等のSNSで身近なα世代は、自分の好きなことや夢中になれることを仕事にするのが当たり前になっていくのかもしれません。
高校生女子のランキングでは、5年連続で1位「会社員」、2位「公務員」、3位「看護師」という結果になりました。2023年9月に厚生労働省がまとめた「看護師等（看護職員）の確保を巡る状況[3]」によると、少子化により担い手となる現役世代が急減する一方で、高齢化の進行に伴う看護ニーズの増大に対応していくため看護師等の確保が進められており2020年時点までで就業者数は増加を続けています。また、病院以外にも介護保険施設等働く場所も多様化しており、看護師の需要は引き続き増大していくことが見込まれます。
高校生女子の「なりたい理由」では、「好きだから」「人の役に立ちたいから」「収入が良さそうだから」の順に優先度が高い結果であり、「看護師」も働く場所や時間の選択肢が広がれば引き続き人気の職業となりそうです。
[2] 文部科学省「全国アントレプレナーシップ人財育成プログラム」
URL：https://entrepreneurship-education.mext.go.jp/
[3] 厚生労働省「看護師等（看護職員）の確保を巡る状況」
URL：https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001140978.pdf
Q2.あなたが＜Q1.で選んだ職業＞になりたい理由を教えてください。
Q3.あなたの憧れの人は誰ですか？（完全自由回答）
子どもたちに憧れの人を聞いたところ、メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースで活躍する「大谷翔平選手」が個人としてダントツの163票を獲得し第１位でした！特に、男女や年齢を問わず名前が挙がったのが特徴です。属性別に分類してみると、野球選手・サッカー選手を中心に全体的にもスポーツ選手の名前が多く挙がりました。
また、両親や祖父母、兄弟姉妹など身近な家族を挙げる人も多く、2022年の調査[4]でも述べた通り、お父さんお母さんが仕事や家事をする姿を子どもたちがしっかりと見ていることがわかります。そして、第4位にランクインした「HIKAKIN」をはじめ、ゲーム実況や歌い手などYouTuberを挙げる人も多く、子どもの頃からSNSが身近なα世代の特徴がよく表れた結果となりました。
[4] 第34回「大人になったらなりたいもの」調査結果
URL：https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2022_071.pdf
Q4.【保護者の方へ】子どもの頃、大人になったらなりたかった職業は何ですか？
Q5.【保護者の方へ】あなたが＜Ｑ４で選んだ職業＞になりたいと思ったきっかけ、理由を具体的に教えてください。
今回初めて、アンケートにご協力いただいた子どもたちのお父さん・お母さんにも子どもの頃に大人になったらなりたかったものを聞いてみました。お父さんのランキングでは、小学生のランキングでも3位となった「野球選手」が１位(16.8%)！少年野球のチームに所属していた人も多く、また毎日テレビ中継があり、王選手やイチロー選手をはじめそれぞれの世代のスター選手に憧れて、との声も多く集まりました。
お母さんのランキングでは、「幼稚園の先生/保育士」が1位(12.0%)！アンケートに回答いただいたお母さんの平均年齢は45歳で、ちょうど第１回調査の頃に小学生の年代です。1989年に実施した第1回「大人になったらなりたいもの」調査でも「保育園・幼稚園の先生」は1位で、その後も長きにわたり上位にランクインする人気の職業です。
また、「看護師」と回答した人の中には、現在実際に医療関係の仕事に就いている方もおり、そのお子さんもお母さんに憧れて「看護師」を志している、と回答されていました。身近なお父さん・お母さんの働く姿を、子どもたちがしっかりと見つめていることがよく分かるエピソードだと思います。
■研究員のコメント（第一生命経済研究所 ライフデザイン研究部 西野偉彦 主任研究員）
今回の調査結果のポイントは、【α（アルファ）世代は「チャレンジ精神」と「超・デジタル」に注目！】です。
「α世代」とは、20代を中心とする「Z世代」の次、主に2010年以降に生まれた世代を指しており、本調査の対象となっている子どもたちも含まれています。本調査からは、このα世代の価値観や将来像などが浮かび上がってきます。
一つ目のポイントは、「チャレンジ精神」です。これは、高校生男子の上位に「社長/起業家」が初めてランクインしたことが特徴的です。近年、日本では「アントレプレナーシップ教育」（アントレ教育）が推進されています。
アントレ教育は、様々な仕事がAIやロボットなどに置き換わることが予想される未来を見据えて、「自ら社会課題を見つけ、課題解決に向かってチャレンジしたり、他者との協働により解決策を探求したりすることができる知識・能力・態度を身に付ける」（出所：文部科学省「全国アントレプレナーシップ人材育成プログラム」）ことを目指すものです。興味深いのは、今回の調査では保護者の方にも「子どもの頃、大人になったらなりたかった職業」について聞いたところ、どの世代においても「社長/起業家」は上位にランクインしていなかったという点です。その一方で、「社長/起業家」になりたいと考えるα世代が一定数いるということは、アントレ教育と相性が良い世代が誕生しつつあるといえるでしょう。アントレ教育は、まだ一部の高校や大学などで実施されている段階であり、小・中学校を含め拡充されることで、α世代の「チャレンジ精神」をさらに伸ばしていくことができるかも知れません。
また、「憧れの人」として、「スポーツ選手」が多く挙がっていることも見逃せません。2024年は大リーグ・大谷翔平選手の「50-50」達成やパリオリンピック・パラリンピックでの「メダルラッシュ」など、国内外を問わず日本人のアスリートが活躍した一年でした。子どもたちは、様々なスポーツの観戦を通じて、新しい記録に挑戦するスポーツ選手の姿勢に大いに刺激を受け、憧れを抱いているようです。その意味においても、α世代には「チャレンジ精神」の芽が育っているといえるのではないでしょうか。
二つ目のポイントは、「超・デジタル」です。すでにＺ世代は生まれながらスマートフォンやタブレットがある「デジタルネイティブ」が多くなっていますが、その次のα世代はAIやVR（仮想現実）なども含めた「超・デジタル社会」で成長することになります。今回の調査結果では、この「超・デジタル社会」が子どもたちにとって身近になってきた様子がうかがえる点もあります。たとえば、「大人になったらなりたいもの」の全体のうち、「YouTuber/動画投稿者」「ITエンジニア/プログラマー」「ゲームクリエイター」の合計（11.1％）は、１位の「会社員」（15.9％）に迫る勢いになっています。この３つもまた、保護者の世代における「子どもの頃、大人になったらなりたかった職業」の上位には入っておらず、「超・デジタル社会」が到来しつつあるからこそ、α世代にとって当たり前に選択できる職業になったといえるでしょう。
今後、AIなどのデジタル技術が一層発達することが予想されるなか、それを適切に使いこなすための、いわば「超・デジタルリテラシー」を子どものうちから身につける必要があります。これは、「ITエンジニア/プログラマー」などの職業につくための専門的なスキルを指すだけではなく、一人の市民として、AIに関する倫理観や、SNSを含めた社会にあふれる情報を見極め、取捨選択する力も含まれるでしょう。いずれα世代が中心となる「超・デジタル社会」において、そのようなリテラシーをどこで・どのように身につけていくのか、私たち大人も一緒に熟議していくことが大切です。
保護者や教員だけではなく、企業や公共団体などで働く方々にも、これからの社会をつくるα世代のこうした特徴に注目し、それぞれの家庭での子育てや学校教育、人材育成のあり方について考えてみることが必要ではないでしょうか。
（調査概要）
●調査対象 ：【Q1~3】 全国の小学生（小学校３～６年生）、中学生、高校生
【Q4~5】 保護者（20代～60代）
●サンプル数 ：各3,000
●調査方法 ：クロス・マーケティング社によるインターネット調査
●調査時期 ：2024年12月
※なお、当社では1989年より毎年、全国の幼児・児童（保育園・幼稚園および小学１～６年生）を対象に、「大人になったらなりたいもの」のアンケート調査を実施してきました。従来の調査では、第一生命の生涯設計デザイナーが訪問時にアンケート用紙を回収していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、第32回（2020年）よりインターネットアンケートによる調査へと調査手法を変更しています。
（報道関係者各位）
- 本調査内容の転載にあたりましては、＜第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケート＞と記載のうえご使用いただきますよう、お願いいたします。
- 本調査データ利用に関するお問い合わせ・取材申込みにつきましては、第一生命保険株式会社（03-3216-1211（代））コーポレートコミュニケーション部広報課までご連絡ください。
（参考）「大人になったらなりたいもの」ランキング推移（第32回以降）
■小学生男子
■小学生女子
■中学生男子
■中学生女子
■高校生男子
■高校生女子
公開日：2025.03.12
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