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犯行現場に落ちているたった一片の服の繊維からでも犯人は特定できる!【科学捜査】

繊維分析で犯人の人物像に迫せまる!

どんなに巧妙な犯罪であっても、衣服の繊維はほとんどの場合、意識されることはなく少しずつ抜け落ちているものです。床の綿わたぼこりも抜け落ちた繊維の集団です。特に、事件現場で犯人と被害者の間に物理的な接触がある場合は、互いの衣服に付着することはよくあるケースです。

繊維の鑑定では、「形態学的検査」、「分光分析」、「染料・顔料分析」が行われます。形態学的検査は、顕微鏡(拡大率100倍程度)で繊維の形状を調べると、植物性由来の天然繊維は特有の形状を持って、ある程度の繊維の種類が判別できます。

分光分析は、繊維に光を照射し、どの波長の光をどの程度吸収するかを測定し、材質を判定します。特に「ラマン分光分析」は合成繊維の単繊維の異同識別には従来以上の情報を得られます。

染料・顔料分析は、1本の繊維から染料・顔料を抽出・分離して光学顕微鏡で外観を観察します。 染料で染色された繊維は、繊維内部が染まっているのに対し、顔料で染色されたものは表面に顔料が付着して、内部は染色されていません。

採取された布、糸、単糸、単繊維は、被疑者の着衣と一致するかどうかの識別が主な目的です。

布の場合、織物か編み物か、織物ならその種類は何か。天然繊維か化学繊維か。色合いや染料はどうかなどを鑑定し、犯人の衣服と照合します。繊維は想像以上に雄弁に事件を語るのです。

出典:『図解 科学捜査』監修/山崎昭

【書誌情報】
『図解 科学捜査』
監修:山崎昭

科学捜査は驚くほど進化している。血液や指紋・DNA鑑定、顔認証システム等の画像解析やインターネットを駆使した情報分析など、微細な証拠から犯行の立証、犯人逮捕に結びつけている。刑事ドラマや推理小説などで活躍する科学捜査の実体、その最先端の技術、方法など全貌を図解で徹底紹介!微細な証拠も大いに真実を語る、犯罪は絶対に見逃さない。