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愛の女神アフロディテの悲恋【世界の神々】

Text:鈴木悠介

美しすぎる悲劇か、心から愛する者を失って嘆き悲しむ運命

アフロディテとアレスの間には、3人の子どもがいました。ポポスとディモスは恐怖の神であり、父アレスとともに戦場に赴いては、人々を恐怖に突き落として父を喜ばせていました。

3人目の子ども、調和を司る女神ハルモニアは、人間界の英雄カドモスと結婚します。しかし不義密通の子として、戦いの女神アテナと、アフロディテの夫ヘパイストスにより、結婚祝いに呪いがかけられてしまいます。

カドモスは呪いによって蛇の姿となり、それを抱きしめ続けたハルモニアも、やがて蛇へと姿を変えます。

ポポスとディモスだけでなく、アフロディテ自身も悲恋に嘆き悲しみました。

アフロディテの怒りを買い、父王に恋焦(こ)がれる呪いをかけられた娘と父の間に生まれた息子アドニス。このあまりに優美な青年に、アフロディテは恋をします。

恋敵のペルセポネは、アフロディテを選んだアドニスへの復讐(ふくしゅう)でアレスに告げ口を。怒り狂ったアレスは猪に姿を変えて、牙(きば)でアドニスを刺し殺すのでした。

アフロディテの涙は真紅のバラの花となり、アドニスが流した血は、大地に真っ赤なアネモネの花を咲かせたといわれます。

*ペルセポネ:ゼウスとデメテルの娘で、母デメテルを助けて花を咲かせる女神。冥界の王ハーデスにさらわれ、妻となったため、冥界の女王に。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』
著者:鈴木悠介  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
早稲田大学卒業。予備校講師(世界史)。現在は各地でのライブ授業に加え、YouTubeの予備校「ただよび」やオンライン予備校「学びエイド」などの映像配信授業でも活躍中。また教育系YouTuberとしての顔も持ち、YouTube「すずゆうチャンネル」ではさまざまな世界史コンテンツを発信している。


恋多き神々の王・ゼウス、神々を従える最強の神・トール、4本腕の荒ぶる神・シヴァ。 個性豊かで魅力たっぷり! 世界の神様のキャラクターを大解説! ギリシャ神話、北欧神話、ケルト神話、エジプト神話、インド神話、メソアメリカ神話。人気抜群の神々と英雄たち32神(人)の性格とエピソードを、イラストと図を交え、わかりやすく紹介します。神々たちの愛憎ドラマのギリシャ神話、世界樹の下、終末に向かって突き進む北欧神話、妖精も登場するケルト神話……。神々と怪物、巨人、英雄たちが繰り広げる壮大な戦いや奇想天外な天地創造の物語など、想像を絶する神話のストーリーと世界観もくわしく解説しました。世界の神々を知ると、映画、小説、テレビドラマ、マンガ、ゲームがもっと楽しくなります!