雨粒が落下途中で凍る凍雨と、地物にぶつかった衝撃で凍りつく雨氷
関東地方など太平洋側で降る雪は、おもに本州の南岸を通過する低気圧(南岸低気圧)によってもたらされます。雲の種類は主として乱層雲です。
低気圧周辺は、暖気と寒気が入り組み、気温分布がとても複雑です。この複雑な気温分布が、ときに凍雨や雨氷といった珍しい現象をもたらします。
凍雨は、雨粒が落下中に冷たい空気に触れて再凍結したもの。直径数ミリメートル程度の透明で球形の氷の粒です。
一方で氷点下でも凍結せず、雨(液体の水)として降ることもあります。これを「過冷却な雨」といい、雨粒は地面や地物に当たると速やかに凍りつきます。これが雨氷です。
出典:『雲の図鑑』著/岩槻秀明
【書誌情報】
『雲の図鑑』
岩槻秀明 著
季節ごとに見られる雲や、気象予報の役に立つ雲など、雲の外観から判別できる雲図鑑に加え光の作用によって見られるレアな雲や、雲ができる過程など科学的なメカニズムまで解説。ポケットに入れていつでも楽しめる雲図鑑なので自粛の際でも公園や河原で子供と遊ぶ時や、外に出られなくても楽しめる
公開日:2021.12.28